実行委員の打ち合わせ リリティア=ロレンツェティ ページ31
大決闘祭の報せで幻想郷中が密かに沸き立っている中、白銀の髪とサファイアのような紺碧の瞳、そして何より、幻想郷では珍しい成金趣味のティーカップみたいな白い修道服が人の目を引く美少女―――リリティア=ロレンツェティは、天狗よりもずっと早く報せを手に入れていた。
なぜかといえば、リリティアは実行委員の一人だからだ。
―――場所取りには本当に苦労させられましたね……。まさかあんな解決法になるとは。
リリティアは苦労した記憶を思い返して、呆れたように溜息を吐く。大決闘祭の舞台を作るために必要な広い土地がなかなか見つからず、重なるように異変が立て続けに起こったため、実行委員会にとってはまさに踏んだり蹴ったりだった。そして最終的には、実行委員の一人である少女―――エインセルの能力で土地ごと作る事になったのである。つまり、大会期間中は幻想郷の面積が少し広くなる訳だ。
リリティアは今まさにそのエインセルの元へと向かっている。当日の流れの打ち合わせがあるからだ。エインセルの住む家は木造の平屋で、幻想郷の辺境地に位置する。到着したリリティアは入り口の戸をノックし、反応を待つ。
「……?オマエ誰だ?えーと……ああ、セラが言ってた実行委員か。ほら、あがれよ。セラはちょっと今手が離せないみたいだから」
出てきたのは背の低い少年で、よく見ると右目と左目で色が違うようだ。エインセルが言う「マイロード」だか「主人」だかだと推測される。少年に促された通りに家に上がると、奥にエインセルが居た。
「リリティアさんじゃないか。随分お早いご到着だけど、どうしたんだい?」
「あれ、時間通りに来たはずなんですけど……」
リリティアは時計を取り出して、時刻を確認する。時計の針は待ち合わせ時間の10分前を指していた。おかしいと思ってエインセル宅に掛け時計を確認すると―――確かに、待ち合わせ時間より30分以上早い。
「おい、その時計壊れてないか?」
少年に指摘されて再びリリティアは自分の時計を見ると、よくよく見てみれば秒針が動いていない。12時間前の時刻で時計が止まっていて、それに気付かなかったのだ。困ったなぁ、とリリティアが呟くと、少年がリリティアの肩をとんとんと叩いた。
「その時計、ちょっとかかるけどボクが直してやっても良いぞ。……あ、これはオマエがこれ以降も時間通りに来なかったらボク達が困るからであって別にオマエの為ではないからな!勘違いすんなよばか!」
特に何も言っていないのにそう言うあたり、可愛らしい少年だとリリティアは思った。
巫女と大悪魔って本来なら仲悪い筈なのに仲良くしてる辺り流石幻想郷 影→←大悪魔と邂逅する巫女、物騒な事にはならない 神在月霊華
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時