人の営みに入り込む悪魔 和華 ページ27
「そうですそうです〜!って事で、参加する方はここに御名前を書いてください!AとBのグループ分けはくじで行うので!」
そう言ってエントリーシートを配っていく天狗。さらさらと躊躇なく名前を書いて行くカノンや志貴、真央たちを横目に眺めながら、和華はしばらくじっとエントリーシートを凝視していた。
―――行事には無縁な人生だったけど。
学校においても、行事に真面目に参加した事は一度もなかった。和華の平時の思考回路であれば大決闘祭など参加するはずもない。しかし……
「あっ……えと……和華さんは参加、するんですか?」
躊躇いがちに和華に問うカノン。「なんだ、参加しないのか?」とでも言いたげに和華を見ている志貴。和華は目を動かして二人の顔を交互に眺めると、小さく息を吐いた。
「はあ、参加しますよ。死にたくないし疲れたくもないので、そこまで本気でやろうとは思えませんけど」
「……ッ!そうですか!よっ、よかった……和華さんとは一度、戦ってみたかったんです」
―――さいですか。
安堵したように笑うカノン。和華はエントリーシートに名前を書き込んで天狗に渡すと、ルールなどが書かれた新聞に目を通した。
『相手が行動不能、または降参する事によって勝敗が決まる。時間は無制限だが、大会の運営に支障が出るほど長引きそうな場合は引き分けになり、両者敗退となる。攻撃方法は相手を殺さない限り自由。また、観客に影響が出るような攻撃はしてはならない』
―――意外とゆるいルールだけど、強い人ほど縛られるようになってる……のか?
顎に手をあて、ふんふんと頷きながら、和華は大会ルールを読み進める。種族差なども考慮した、比較的公平性の保たれたルールになっていると言えるだろう。
場の全員がルールに目を通していて、しばらくの静寂が訪れていたその時、嵐のように舞い降りた者が居た。
「あやややや!これはこれは、最近噂の!是非取材を……」
降り立ったのは一人の少女だった。無造作に結われた黒髪と、爛々と輝く紫紺の瞳。その姿を見て、天狗は調子よくペンを持つ。先程の異変で各所を飛び回り、さながらヘルメスかロキかの如く場を引っ掻き回したトリックスターの少女―――ディアボロ・エックスバレットである。
「じゃーねー」
ディアボロは一瞬でペンを取り、目にも留まらぬ速さでエントリーシートを記入すると、早々に場を立ち去っていく。
「ねぇ、あの人ってさっきの人だよね……」
まさかアイツが参加するのかよ、と場の全員が思っていた。
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時