復興作業は電子の世界で 志貴 ページ22
「俺やカノン、真央の能力で、幻想郷の復興はなんとか出来そうなんだ」
俺はそう言ってPDAを取り出す。さっきの戦闘じゃあまり活躍出来なかったが、俺が幻想入りと同時にゲットしたらしい『ありとあらゆる存在をハッキングする程度の能力』は結構使い勝手が良い。カノンもかなり使い勝手の良い能力を持っているし、真央の能力もまさにチートだ。
「……っつうかさ、もう真央一人でよくないか?」
「それな。真央なんかくそチート能力者だしズルいし。なんだよ情報を変化させるって。志貴の下位互換じゃねぇか腹立つなぁ」
「そんな事より志貴、さっさと被害範囲割り出せよ。お前計算も出来ねぇのか?そうか出来ねぇんだったわこいつ」
「PDAには電卓ついてんだよ、もうとっくに割り出してるわ。ほい真央、被害範囲を幻想郷のマップに重ねたやつ」
「お使いごくろー。……はぁ?被害範囲広すぎワロえねぇ。ミスってねぇだろうな志貴」
「ミスる訳ねぇだろ、俺のハンドメイドのPDAが計算ミスとかありえねぇし。つーか三人で直す範囲分担すればいいじゃねぇか」
「「志貴の技術の高さを知ってるから納得せざるを得ないし提案も的確だからなんか腹立つ……」」
「うるせぇ!失礼にも程があんだろ!」
二人の失礼にも程がある発言に突っ込み、俺はキーボードを叩く。これからする作業は簡単だ。範囲を決めていつの状態まで直せば良いかを割り出し、『範囲内の状態』をハッキングして被害が出る前の状態で上書きする。嫌いな奴のゲームのセーブデータを難しいボス戦の直前に書き換えて嫌がらせをした経験が活きたな。
「おーし範囲設定完了、っと。二人とも出来たか?」
「当たり前。私なんか範囲決めて情報を変化させるだけだから小難しい作業要らないし」
「私ももう行けるよ。地図貰えば編集で一発だし」
「……あー、つまり一番面倒な作業をしないといけないのは俺だったって話だな。まぁいいや、行くぞ!」
俺は目を瞑って深呼吸をする。ハッキング前のいつもの儀式だ。手順を頭の中で繰り返し、ゆっくりと目を開く。画面に流れていく数字と記号とアルファベットの羅列。この世界を定義するシンプルで美しい部品。それらはまるで川の流れのようだと、俺はずっと思っていた。俺は川に飛び込むように、電子の海へと飛び込んで行く。
改竄すべき情報を見つけて上書きするのには数分と要らなかった。それが俺の特技だ。
「「「よし、完了!」」」
俺達三人は、全く同時に作業を終えた。
異変終了、ありがとうございました! 真央→←呆気ない終焉 早月
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時