410話 ページ47
澄んだ泉の前で座り込み、腕についた血を洗い流していると背後に気配を感じたA。
黄名子｢Aさん......あのね｣
......またか。
振り返ると俯きながら強く自身のズボンを握る黄名子が立っていた。
A｢今度は何？｣
黄名子｢試合......出ないようにする事はできないやんね？｣
何度も同じ事を繰り替えされるストレスによりAは思わず頭を抱えてしまった。
A｢人数もいない、でも勝たなくてはいけない。
この状況で何を言っているのかわかってる？｣
黄名子｢ご、ごめんなさい！！
......またこれ飲んでほしいやんね｣
黄名子の手元には以前服用した薬と同じものが置かれている。
だが、今回は以前よりもこの薬を手渡すことに抵抗があるようで、黄名子の表情から迷いが感じられた。
A｢......ねぇ、これ何の薬なの？ただの常備薬じゃないよね｣
Aはそう問いかけながらも黄名子より差し出された薬を受け取った。
別に服用に抵抗があるわけではない。
実際飲んだ時の体調が何故か良かったと実感はしているから。
でも内容に疑問を持ったままなのはやはり納得できない。
黄名子｢......Aさんの為のものやんね｣
A｢だから何に効果があるものかを聞いてるんだけど｣
問い詰められる黄名子は一歩後ろに下がったかと思いきや、そのまま180度回転してみんなの元へ逃げるように去って行ってしまった。
黄名子｢試合が終わったらお話するやんね｣
そう一言だけを残して。
それからAはウォーミングアップと並行しながら、相手選手の情報を徹底的に集めた。
今回の試合は神童が不在の為、Aが司令塔として挑む運びとなり、その為には情報が必要不可欠だった。
映像が残っていれば早い話だが、大会のような放送されたりお気楽な状況でもない為、実際の試合の中以外に集めるには仲間の聞き取りしか方法がない。
天馬、太陽くん、霧野、剣城、フェイ......可能な限り会話をしたが揃って口に出す言葉は『まるで機械』であった。
機械みたいという事は置き換えてしまえば、パターンがあり予測がしやすいという事。
だがみんなを圧倒するだけの実力があるのは聞いていればわかる。
話だけなら戦いやすいはずなのだが逆に想像ができなく、難しくなってしまった......。
しかし試合が始まった直後、みんなの言っている事にAは納得する事となった。
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
