403話 ページ40
霧野｢身体が重いのはわかるが、あんな事を言われてる中で寝たふりを継続とは。｣
A｢剣城だって気づいてたかもね。｣
霧野はAの傍らに置かれたイスへ腰を下ろした。
霧野｢今の言葉、好きですって言ってるのと同じじゃないか。
......いつまで逃げ続ける気だ？｣
A｢......さぁ。｣
分かっていた、私は馬鹿じゃない。
だけど周りの目は私の期待とは違う方向へ向いている。
そんなの私は望んでない。
霧野｢なぁ、なんでそんなに壁を作るんだ｣
そんなもの......決まっている。
A｢私は周りが思っている程、出来る人間じゃない。｣
霧野｢......知ってるよ、お前は不器用だ。｣
あぁ、どこで間違えちゃったのかな。
A｢剣城とは距離を保ててたはずなんだけどな......。
もっと突き放せば良かったのか｣
霧野｢いやA......それは違うと思う。｣
たしかに付き合い方次第では人の心は大きく異なる方向へと進むだろう......。
だけど時間があれば人の本質は必ず見抜かれる。
霧野｢きっと時間がかかるだけで結果は変わらなかったさ。
だって......お前は良い奴なんだから｣
優しく笑う霧野にAは少し怪訝そうな顔をうかべた。
A｢......私は自分の事で精一杯｣
霧野｢そうかもな......でも、人って欲が出てきちゃうよな。｣
そう、今回みたいに。
霧野｢神童って目が離せないよな？｣
天才と呼ばれる才能があり
その裏では人一倍の努力をしている。
みんなの前に出るリーダーシップがあり
だけど心は弱い泣き虫。
そして心の器が大きく、底知れぬ優しさを持っている。
A｢......今はその話やめてくれる？｣
霧野｢そんなにあいつが嫌いか？｣
いや、嫌いじゃない。
でも最近の私はやっぱりおかしい......。
体調もそうだし、精神が弱ってる。
上手く自分がコントロール出来なくなっている。
霧野｢......そんなに思い詰めるぐらいなら、俺が守ってやろうか？｣
A｢は？？｣
霧野の言葉に耳を疑った。
霧野｢俺を利用するんだ。
俺と付き合ってみれば見えてくるものもあるかもだろ？｣
これはどさくさに紛れて......。
A｢......何を心にも無いことを｣
いや、これは告白では無い。
A｢霧野は絶対に私を好きにならない｣
霧野｢なんでそう言い切れるんだ？｣
何故か、それは。
A｢それはもちろん、霧野は私のことを異性として見てないから｣
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
