399話 ページ36
黄名子｢うち知ってるやんね......体調が回復していないことを｣
Aは思わず身体が固まってしまう。
黄名子は当てずっぽうで発言した訳ではなく、しっかりと確信をしているようだ。
A｢知っているって......なんで言い切れるの？｣
もちろん周りには体調は回復し、問題ないと言い切った。
さらに遠征組が帰ってきてからはプレイを一度もしていない為、気づく要素はあるはずがない。
しかし黄名子は何を言っても嘘だと言い切る。
どこを見てその確信が生まれたのだろうか。
A｢......じゃあその事を周りに言って無理矢理にでも私を下げるの？｣
黄名子｢いや......そこまではうちもしたくないやんね｣
自分自身で決めて欠場してほしかった。
だがAさんは決めたことは曲げない頑固者だもん。
うちはこれ以上止めることができないやんね......。
黄名子｢誰にも言わない......だけど一つだけお願いを聞いてほしいやんね｣
そういうと黄名子はポケットから何かを取り出した。
黄名子｢この薬を飲んでほしいの。｣
黄名子の手にはOPP袋に入れられた錠剤一錠が置かれていた。
黄名子｢ただの頭痛薬やけど、1試合分は楽になれると思うやんね｣
Aは黄名子から薬を受け取るが、それを服用するか迷っていた。
ただの頭痛薬、そんなのがこの身体に効くわけがない。
無駄に薬を服用して良いのだろうか。
だがAには服用するしか道が残されていなかった。
A｢......わかったよ、飲めば放っておいてくれるんだもんね｣
Aは急いでベンチにあるドリンクを片手に薬を飲み込み、みんなが待っているグラウンドへと足を踏み入れた。
天馬｢宜しくお願いします｣
試合前に交わされるキャプテン同士の挨拶で天馬と握手を交わしたA。
その握られた天馬の手は驚く程冷たく、ひどく緊張しているようだった。
A｢なんか固くない？
私だって慣れない物をつけて緊張しているけど、お互いに全力を出し切ろう｣
大きな笛が鳴り響くグラウンド。
いよいよ物語の分かれ道ともなる入団テストが幕を開けた。
フェイ｢やはり君はすごいね｣
足りない人数をフェイのデュプリで補われた天馬チームとしばらく熱戦を繰り広げている中、マークしていたフェイが突然声をかけてきた。
話しかける事でAの集中力を割こうと考えていたのか定かではないが、Aにとってそれは無意味に等しい行為だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
