389話 ページ26
その後の記憶はかなりあやふやだった。
上の空だったAが無意識で動いた足。
それは自宅ではなく、河川敷のサッカーグラウンドだった。
自由に使用ができるこの場所は、部活の練習だけではなく個人練習でも何度も使用した場所だ。
だが今はサッカー禁止令が発令されたことにより、大きな使用禁止の看板がそびえ立ち、ところどころに使用されてない為か背の低い雑草が見え始めていた。
A｢.....これからどうしようかな。｣
サッカーを続けるべきか.....諦めるべきか。
そしてこの話をどう周りに説明をすればいいか.....。
Aは閉じていた瞼をゆっくりと開ける。
今まで経験してきた展開がまるで目の前で再現されている様に次々に蘇り、そして静かに消えていく。
サッカーだけは失えない。
A｢ﾊﾊ.....ほんと情けない。｣
私はとことん欠陥品だ。
Aは静かに息を吸い込みながら空を見上げる。
既に日が沈みかけており、心なしか空模様が怪しい。
まるで自分の心を映し出しているようだ。
しかしどんなに気持ちが沈んでいても、何故か涙だけは枯れたかのようにこぼれ落ちる気配はない。
A｢.....とりあえず帰らなきゃ｣
ひとまず何事もなかったように。
Aはゆっくりと口角を上げた。
A｢ただいま｣
A｢とりあえず異常はなかったみたい、だけど念の為また時間おいて受診するといいかもって言われてきたよ。｣
自分でも驚く程いつも通りの表情、落ち着き、声色で帰宅早々に真綾へ報告を終え、ルーティン化されたいつも通りの行動を行い、そして布団に潜る。
それは翌る日も変わらない。
それは自分の大切なものを捨てろと宣告された人物とは到底思えない行いだった。
浜野｢あ、A発見！！｣
病院へ受診した日から数日が経過したある日。
たまたま1人のAを発見した浜野が声をかけてきた。
もちろんその隣には一緒に行動することの多い速水、そして倉間の姿もあった。
A｢やっぱり部活がないとなかなか話す機会ないよね｣
同じサッカー部のクラス内には神童と霧野しかおらず、その2人はタイムジャンプで数日は戻ってこない。
不思議な事にその瞬間は周りも2人がいない事を認識しているが、時間が経つと2人がその場にいたかのように都合よく過去が改竄される。
自身も不在の間はそのように辻褄合わせがされていたと考えると、とても不思議な感覚だった。
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
