388話 ページ25
A｢それなら良かったです。｣
｢いやいや、そこまで重い症状で何ともないわけないでしょ｣
Aは思わず医者が何を言ってるのか理解出来ずに間抜けな声で聞き返した。
先生｢紹介状を書くから念の為大きい病院で見てもらいなさい。｣
そう言いながら先生は達筆な字で隣町の脳外科のある病院の名前を書いていく。
A｢え、そんなにマズイのですか？｣
｢それが分からないから受診しなさいと言ってるんだ｣
ごもっともな先生の言葉に紹介状と共に眼科を追い出されてしまったA。
幸い早くに学校を終え、真っ先に眼科へ向かっていたおかげで、まだ紹介を受けた病院への受診は間に合いそうだ。
予想だにしていなかった状況にAの心臓は大きく鳴り響いている。
......いや、良くないかもしれないと薄々感じてはいたじゃないか。
ただ......気付かないふりをしていただけで。
ただ医学に詳しい人からその可能性を告げられた事で覚悟しなければならないのは事実。
不安な気持ちを必死に抑えながら、電車を利用して再受診を行うも、医師から受けた回答はとても予想外の言葉だった。
｢.....結論から申し上げますが、異常は見つからないです。｣
移動の電車内や待合室での待機、そして精密検査の時間。
とても生きた心地はしなかった。
だが医師から出た『異常は見つからない』の一言で安堵と共に、違った鼓動の速さを強く感じていた。
｢だけど眼科の先生からも言われたと思うけど、症状が重いのは事実。
もしかしたらまだ知られていない新しい病気の可能性だってある。｣
A｢何か症状を軽くしたり、対策になりそうな事ってありますでしょうか？｣
この質問に対して、医師は深く悩みながらゆっくりと口を動かした。
｢症状に対しての薬は提供出来る。
だけど聞く限り、サッカーをすると.....多分集中をしながら目を使う事で徐々に悪化を辿っているようだね。｣
｢......残念だけどサッカーだけではなく、激しい運動に触れないことをオススメするよ｣
一番聞きたくない言葉だった。
A｢どうにかサッカーを続ける方法は.....ないのですか？｣
｢.....継続意志は君の自由だ。
だが悪化の先に何があるのか.....もしかしたら視力を失うこともあるかもしれない。
それが私には判断ができない。｣
サッカーを辞めなければいけない？
視力を失う？
視力を失ってはサッカーは出来ないじゃないか......。
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
