366話 ページ3
雨宮「それより体調が悪いんですよね！？
大丈夫ですか？」
少し遡り、全員で次の部屋へと移動しようとしていた時のことだ。
A(またこれだ.....)
ここ最近の違和感には自身でも気づいていた。
いつも試合のように長時間動いたり、激しいプレーをした後に訪れる視界のかすみ。
ギリギリ視界が保たれている状態ではあるが、近くに人がいないとまともに歩けないかもしれない....。
A(もしかしたらまた目が赤いのかもしれない。
なるべく目を見られないように伏せながら......。)
しかしこの時、いつもとは違う症状に思わずAの進んでいた足が止まった。
A「ｯ.....。」
頭の痛み......いや、これは目の奥と言った方がいいのだろうか。
一瞬ではあったが思わず顔を押さえてしまう程の痛みに声も出ない。
雨宮「大丈夫ですか？」
そんないつもと違うAの様子に雨宮がたまたま気が付き、顔を覗き込んだ。
A「だ、大丈夫！！みんなに置いてかれちゃうよ」
しかしそんな言葉と同時に無惨に大きな音を立てて閉まる扉。
完全にみんなと分断されてしまったのだ。
太陽「すみません、僕がみんなに声をかけていればこんな事には....。」
.....確かに状況は最悪ではある。
だが多くの人に心配される状況とならずに安心している自信がいる自分がいた。
雨宮「それより頭押さえてたように見えましたけど、今も痛みますか？」
先程と同様、無意識でさらに距離を詰める雨宮に少し困惑しながらも、Aは謝りながら大丈夫と答えた。
A「大丈夫、いつもとは違うけど一瞬だったから」
この言葉に雨宮の眉がぴくりと動いた。
雨宮「それいつも体調が悪いんですか」
A「あれ、今私そんなこと言った？」
完全に無意識に出た言葉を雨宮は見逃さなかった。
雨宮「病院は？
好きな事が出来なくなるのなんて、たった一瞬なんですよ。」
一度はサッカーを諦めるように選択を迫られた経験のある雨宮
だからこその言葉の重みにAは何も返事が出来なかった。
雨宮「.....仲間は辛い事、大変な事を隠されるととても悲しく、そして気づけなかったそんな自分を悔やむんです。」
雨宮は知っていましたか？と言いながら優しく微笑んだ。
雨宮「Aさんは僕なんかより隠すのが上手いから尚更。
....これは僕の経験談ですけど。」
身体の不調。
自身でも放置しておいて良いとは考えていない。
だが今はそんな余裕は無い......。
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます！！本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......！！！ (2023年1月3日 23時) (
レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています＼(^o^)／続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆーり | 作者ホームページ：https://twitter.com/yuri__1098
作成日時：2022年9月19日 0時
