Non genre (ページ45)

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～4年後～

海羽｢ぱぱー！えほんよんで！｣

壱馬｢ええよ、みぃ。おいで。｣

みぃはもう4歳になった。
走れるし、ひらがなも読めるようになった。

北人は、まだ帰ってきてない。

北人がいなくなってからの俺たちは、まるで夢を見ていたようだった。

そのくらい、4年があっという間に感じられた。

あいつはもとからいなかった、そんな気さえした。

本当は北人が出ていたはずの映画。樹と慎の間。
その立ち位置はあっという間に塗り替えられた。

突然失踪してしまった北人を誰もが心配していたし、誰もが探していた。

もちろん、俺だって。

いなくなった直後に樹から聞かされた、最近の様子。

くまが酷かったことにすら気づいてやれなかった。

自分のことだけ考えて、北人の気持ちなんて考えてやれなくて。

あいつはどんな思いでみぃの世話をしていたのか、。

そりゃ北人も嫌になって出ていくわ、、
…今反省したってもう遅くて、帰ってこないのに、そんなことばかり考えてしまう。

独りよがり、今の俺にはその言葉がぴったりだろう。

北人がいなくなって初めてわかった大変さ。

俺1人でまだ小さな子供の世話なんて到底できるはずもなくて、、樹と慎に頼りっぱなしだった。

"北人さんはそれを1人でやってたんですよ。"

そう樹に言われてしまった。

いや、樹が正しい。

あいつは誰にも頼らず1人でやってくれてたんだ。

"言ってくれればやったのに、。"

最初は俺もそう思っていた。
だけどその考えが間違っていたんだ。

誰かに言われてやることじゃない、
自分からすべき事なんだ。

2人で協力して…いや、

夫婦で協力して育てる、なんてものも所詮上辺だけ。

1人だろうが2人だろうが、結局母親はいつも1人なんだ。

どんなに家事を手伝おうが子供の世話をしようが、
1人という寂しさ、孤独しかない。

そんな中であいつはやってくれてたんだ。

なんで今気づくんだよ。

壱馬｢そして2人は幸せに暮らしました。おしまい。｣

海羽｢…ねぇ、ぱぱ。｣

壱馬｢ん？｣

海羽｢みぃのままって、どんなひとだったの？｣

壱馬｢ｯ…｣

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