マフィアに買われた【旧双黒】

拾壱 ページ12

ただ雨を降らせただけの任務だった。

特に酷でもなかったが不思議なことに疑問だけが私の心の中に残っていた

マフィアビルに着いた後、太宰さんと昨日の人とは別れて太宰さんに教えられた道場と云う所に興味本位で見に行った






そこでは誰も練習していなく。どこか寂しげが漂う場所だった。

どうせ1人なので大声を出したり寝転んだりして遊んでみる。ごろごろと自由気ままに過ごす

そこには誰もいなくてどこか安心感や不安感があった




多分自分が思っているよりも長く道場にいたと思う

そろそろ日が沈みだしたその時 ＿＿＿＿＿＿ 誰かの足音が聞こえた

すぐ様その音の方向に目を向けると、昨日の人がいた。確か名は中原中也だったはずだ





「あァ、そんな警戒しなくて良いぞ。 普通に訓練に来ただけだからな」




少し絆創膏が貼られている肌は少し痛々しかった

そこでごろごろするのはなにか申し訳なく体術の練習をする"振り"をした

所詮素人芸だし気にしないで練習してくれたらいいなと云う期待の目を向けながら振りを続ける





今練習してるかな…？と思い其方に目を向けると …… あからさまに此方を見ていた

とても焦る。こんな筈じゃなかったと

ごろごろしとく筈だったと。何度も思う。 多分結構見られてる

なんか私悪いことしたかな？そんなことを思いながら内心焦る焦る








先程よりも少しばかり本気ですることにした

それを何分にも満たないほどやっているとあの人が此方に来た



「手前、手ェ抜いてんな？」





と凡てを見通した目で言った。

これは正直に答えないとやばいと本能が言った。私は仕方なく小声で『あっはい。』と言った

すると帰ってきたのは衝撃の返事だった




「俺に殴り掛かってみろ」





と。

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