５話 ページ6
私は２人の頭を撫でると、優しく肩を叩いた。
ジュナ「どうして？Aちゃんは上手なのに」
ローナ「そうだよ！私…Aちゃんの事も…歌も…大好きなのに」
あぁ…そんな悲しい顔しないで。
『…２人には…ウタのようになって欲しいな！』
ローナ「っ……うん…分かった」
ごめんね。ごめん。本当に、ごめんなさい。
これからの事に…２人を、みんなを巻き込みたく無い。
だって…来週のライブで、私の歌活動は終わるんだから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜。エース達は自分の船で寝ていた。私も今日は、特別に船に来て良いと言われたので、船で寝る予
定。でも、寝れなくて船近くの草原に来ている。
『……私、なんで歌なんか始めたんだろ……』
理由が分からない。気が付いたら歌を始めてて…気が付いたら有名になってた。どんな努力をしたの
か…誰に聞いてもらったのか…誰に教わったのか…覚えていなかった。記憶力は良いはずなのに…ど
うして歌の道に進んだのか…それだけ覚えていない。
《……ねぇどうして、私は歌っているの
望んでたの？この道を
じゃあどうして、こんなにも胸が痛いの
周りの目を気にしていつの日か怯えていた、
大舞台に立つたびに、足が震えて上手く歌えない
だからいつも録音ばかり、逃げて逃げて逃げて…
もう、こんな自分、嫌になる》
自分に例えた歌を静かに歌う。海風が、私の身体をすり抜けるように通り過ぎた。
エース「随分悲しい歌だな」
『っ！？』
突然背後から声がして、振り返ると…そこにはエース。テンガロンハットを被っている時とは雰囲気
が違う。
『聞いてたの？』
エース「…あぁ…A、お前はなんで歌ってるんだ？」
『え、…そ、それは…「怖いからだろ」…え？』
エースを見ると、とても真剣な顔をしていた。
エース「すべてを失うことが怖いから…そうやっていつも自分の心の内を歌にぶつけて、夜に歌って
るんじゃないのか？」
『っ！…違う！…私は、歌が好きだから！…歌を歌いたいから！！』
どうして？どうして…
エース「本当は…歌うのが怖いんじゃないのか？」
分かるの？
図星を突かれて、私は下を向いた。そうだ。私は歌うのが怖い。だから、２人のお願いも断った。
『私はもう…誰も傷付けたくない』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
立川愛理(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。 (2022年11月17日 22時) (
レス) id: 48f2d0542c (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - ありがとうございます！頑張っちゃいます！ (2022年9月1日 17時) (レス) id: 16322090dd (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 胡桃さん» お答え頂いてありがとうございます！了解しました！！これからのお話の続きも、楽しみにしております！！ (2022年8月31日 16時) (レス) id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - はい！エース救済にしようかと思っています！ (2022年8月31日 16時) (レス) id: 16322090dd (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 質問失礼します！こちらの作品は、エース救済作品ですか？ (2022年8月31日 5時) (レス) id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：胡桃 | 作成日時：2022年8月15日 12時
