13話 ページ14
エース「…当たんねぇよ」
『っ!?』
私が放った海楼石の弓矢は、なんとエースの炎となった心臓をすり抜けた。
『当たれ!!当たれ!!当たれ!!!!!!』
何本打っても炎と化した体をすり抜けていく弓矢。
『どうして!?海楼石は能力者の能力を封じ込めるんじゃないの!!??』
手が震える。海楼石の効かない能力者なんて、初めて見た。でも、どうしよう。
エース「俺には…当たらねぇぜ」
ガチャンッ
私は弓矢を投げ捨てると、近くに用意していたバケツを取った。そしてエースに向けて思いっきり投
げ飛ばす。海楼石が無理でも、水なら。
バシャッ!!
でも、エースの力が抜けることはなかった。
エース「水も、効かねぇよ…」
『嘘でしょ…どうして!?』
何もできなくなって、その場に座り込む。最終手段は…オトオトの実の力。
_______赤い血に染まる 純白のドレス
これも、効かない。エースはステージに上がってくると、私に近寄った。とっさに短剣を取り出す。
『来るな!!!』
威嚇するように剣先をエースに向けると、鋭く睨みつける。それでもエースは、前に進んだ。
エース「…」
『そ、それ以上近寄るなああああああああ!!!!!!』
叫んだ途端、空が暗くなり、《闇》が私を覆う。この闇は、私の心の闇だ。
『近寄るな!!お前も闇に飲み込まれるぞ!!』
エース「別にいいぜ、お前とならな」
『っ!』
エースは、私を優しく包み込んだ。短剣が手から抜け落ちる。するとエースは、耳元で話し始めた。
エース「お前言ったよな…歌うのが怖いって…またみんなを傷つけちまうんじゃないかって…怯えて
た…でもよ、俺が倒れなくて、お前は自信を持ってたじゃねぇか…なのになんで、こんな事してんだ
よ…これは正しいやり方じゃない、間違ってる…もう、自分に嘘をつくのは…やめろ」
『エー…ズ…ごめ、ごめんね』
エースの温もりは、かけがえのないものだった…。でも、もう遅い。
ドンッ!!!!
エース「っ!?A!!??」
エースを突き飛ばすと、私は闇に、飲み込まれた。
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立川愛理(プロフ) - 面白かったので続きを是非書いてください。完結まで是非書いてください。 (2022年11月17日 22時) (レス) id: 48f2d0542c (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - ありがとうございます!頑張っちゃいます! (2022年9月1日 17時) (レス) id: 16322090dd (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 胡桃さん» お答え頂いてありがとうございます!了解しました!!これからのお話の続きも、楽しみにしております!! (2022年8月31日 16時) (レス) id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - はい!エース救済にしようかと思っています! (2022年8月31日 16時) (レス) id: 16322090dd (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 質問失礼します!こちらの作品は、エース救済作品ですか? (2022年8月31日 5時) (レス) id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡桃 | 作成日時:2022年8月15日 12時