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「大ちゃん。大ちゃんはこれに誰が関わってると思う？」
相葉の問いかけに、大野は腕を組む。
「少なくとも、西本、安達、菊池、江藤、野村の名前が上がってる。ってことはそこと繋がりがある人の可能性が高い。んでもって、今の江藤の所属が霰隊の一班となると」
相葉の顔を見た大野。
相葉は複雑そうな表情をしていた。
「相葉ちゃんも察してるんでしょ？ 横田が関わってるんだろうなって」
だから「横田に聞いてみないか」と言った松本を止めたのだろう。
「横田さん……やっぱり、何か関係してるのかな」
ぽつりと呟いた松本。
「無関係ってことはないだろうね。振り返ってみたらあまりにも行動がおかしい」
大野も再びファイルに目を落とす。
「ニノも気づいたんだろうな。霰隊四班を結成させたのは横田だよ。しかも、霰隊の隊長になってすぐ。普通、異動してきたばかりの隊長が班を結成させることなんてない」
「……そうだよね。おかしいよね」
あの時からもう巻き込まれてたんだろうな、と呟いている。
あの大野の弟だ、ということは知っていたのだろう。
だから目をつけて班を結成させて、自分は怪しまれないようにとうまく付き合ってきた。
大野自身も特に敵対するつもりもなかったため、部隊の運営には色々と協力してきたが、こうなってくるとバカバカしい。
柳谷もちら、とファイルから顔を上げた。
「横田さんって、霰隊の隊長ですか？」
「そうだよ。柳谷ちゃんも知ってるでしょ？」
「はい、一応」
柳谷も横田のことを思い出す。
あまり記憶に残っているわけではないが、記憶にあるのは。
「二宮さんを部隊のトップだと言うことを、どことなく嫌がっていたような気がします」
「……どういうこと？」
大野は眉をひそめた。
「雹隊に来ないか、と二宮さんが呼んでいると言われたときの話です。そもそも二宮さんのことを知ってるかと聞かれて、部隊のトップの人のことは知ってますと答えたら、どこか納得していなさそうでしたよ」
瞬きをした相葉。
「そっか、確かにニノって部隊のトップになるのか。雹隊の非戦闘員のトップだもんね」
「雹隊でもそうだし、非戦闘員では唯一雲隊に所属してる人だからね」
大野はそう言いながら考え込んでいる。
松本も腕を組んだ。
二宮が雹隊の情報統括であり非戦闘員のトップに立つ人間であることは、部隊の隊員ならほぼ全員が認知していることだ。
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2023年2月18日 23時
