ビリってより罠罠 (ページ5)

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Ryoga side .

放課後の教室。

Aはバイトに行って、久しぶりに海と進路用の提出物を書くために残っていた。

『海は大学も推薦か』

海『ちょうど行きたいところから貰えそうで良かったよ。稜雅は家から近いところ？(笑)』

『遠いと毎日寝坊で行くの面倒臭くなりそうだしな(笑)』

海『理由が謎すぎない？(笑)』

『普通だろ(笑)』

海とは相変わらず馬鹿ばっか言って、一緒にいるのは居心地がいい。

男友達に居心地が良いって言葉はちょっと気持ち悪いけど(笑)

でも、大切な親友。

海『そう言えば、前に稜雅の家に漫画返しに行った日あるじゃん？』

『確か、一週間くらい前？』

海『行ってる途中に、Aちゃんみたいな子見つけてさ。夜だったからよく見えなかったけど。後ろ姿も声も似てた。』

『バイト帰りとか？』

海『さぁ？隣に男がいたから、人違いだと思うけど。』

一応報告、と付け足した海。

もしかして、一緒に帰ってるバイト先の男でもいるのか？

海『そんな怖い顔すんなよ(笑)Aちゃんかどうかわかんねぇし』

そうだよな。

もしかしたら、海の見間違いかもしんねぇし。

海『そんな不安になるならいっその事、一緒に住めばいいのに(笑)』

確かに、放課後はAがバイトの日以外、ほとんど家に寄って一緒にいる、

けど、

『まだ高校生だし、さすがにそれは早いかなって。バイトも頑張ってるみたいだし。』

その努力に負担をかけることはできるだけしたくない。

海『ずっと傍にいるからって安心したままだと、いつの間にかってこともあるかもよ。』

また、あの時みたいに誰かに取られたらって。

でも、そんな俺の過去のせいでAを心配させたくない。

海『女は隙だらけだから』

海の言葉が深く心に残った。