ビリってより罠罠 (ページ24)

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Ryoga side.

今まで生きてきた中で、一番、憂鬱な日になりそう。

バイトを始めようって思ったのはいいけど、そもそも人見知りだし、知り合いが誰もいない所でなんで働こうと思ったんだ...

本当はAのバイト先でもよかった。

でも、拓弥ってやつもいるし、二人が話してるところ見ると、また妬いてしまいそうで。

そんな自分が惨めでやめた。

今日は、面接をしてもらうことになってる。

家から近くて比較的楽な所。

近所に小さな本屋があってそこに応募した。

見知らぬ人と話すとエネルギーを使うし、
仕事内容も接客だけじゃなく、本の整理等もあると思う。

学校が終われば、Aの家に行くか、自分の家に帰ってダラダラしてた俺にできるのか。

改めて、なんでもこなしてしまうAを尊敬するよ。

履歴書を鞄に入れて、歩いて五分ほどの店へ向かう。

奇跡的に知り合いいないかな～

中学の時の同級生とか。

重くなる足取りだけど、家から近いこともあって、すぐに着いた。

深呼吸をして店のドアを開ける。

──── いらっしゃいませ

女の人の声が奥から聞こえて、その方に歩いていくと、

『え...紗弓......？』

エプロンを付け、本の整理をする紗弓がいた。

紗『稜雅... 、どうしたの？何か、探し物？』

久しぶりに会って、お互い少しぎこちない。

去年、俺が熱を出した時、少しだけ会ったけど、ぼーっとしてたし、あんまり覚えてない。

───── おや？君が船津くんかな？

店のさらに奥から、店主らしき、おじいさんが出てきた。

──── よく来てくれたね。店主の桜田です。面接は上でするから、あがっておいで。