【BTS】シュガーシガーキス

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そいつが泣いてる時。側にいてやれる存在でよかった。
そいつが気持ちのやり場がどうしようもなくなった時。縋る相手が俺でよかった。

心からそう思う。




泣く女なんて勘弁だと思っていた。

これまで感情的になって泣かれるたび辟易としていたように思う。だから女のために来いと言われたわけでもないのにそこへ駆けつけたことも。
そいつが泣いている。という事実にこっちまで何故だか泣きそうになったことも。

はじめてで自分で自分に驚いた。




Aと今までを比べる訳ではなく。シンプルに恋愛感情で自分がそこまで出来る人間なんて知らなかった。



「ヒョン、最近彼女とあってないんでしょ」
「あ？」

いつも通り昼食はコーヒーでいいかと(コーヒーは昼食とは呼べないとこいつにしつこく言われたけど)思って引き続きパソコンへ向かっていれば、上から降って来たジミンの声に思わず顔を上げた。


「なんで」
「彼女確か今年受験生でしたよね〜？ ヒョン噛み癖が最近ひどい」


言われて気がつく。

元々あった癖で、けどAと付き合い始めてからは、大分治って、というかましになってきていた筈なのに見ると右の親指の付け根から出血していた。



「彼女不足でイライラするユンギヒョンってウケますね」
「ころすぞ」


もともと離れたらその距離を詰めないタイプなだけに連絡もめっきりなくなって。いつぞやかの再来。

けど今回ばっかりはほんの時々夜電話かかってきて「死にます」

「生きろ」
『ユンギさんに会いたすぎて死ねそうです』
「あーそう」


久々に聞いた声と、ちゃんと会いたいのだと思ってくれていることが嬉しかったらしく、無意識に頰が緩んでしまう。電話でよかった。



『あぁ〜駄目ですユンギさん断食中だからマジで死ぬって時まで駄目なんです』


会いに行ってやろうか。といいかけた所でまるで先読みしたように言葉を封じられる。


そんな感じで焦れに焦れ。ずっと待てをさせられてる状態で。

待たせるだけ待たされて、数ヶ月後。「合格しました〜」と仕事中電話があった時には俺も死ぬ程嬉しかったし。


久し振りにあったそいつは凄い勢いで抱きついてきたし。

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