私は貴方の飼い主よ

最強の姉24 ページ25

「Aも呪霊操術を使うのかい？」

『へ？』

食堂にて傑と一緒に昼食を食べていたら突然そんな質問をされて変な声が出てしまった。
私もそうだと思った理由はもしかして無黒ちゃんだろうか？

『それって、無黒ちゃんのこと？』

「そう」

『んー、どうなんだろ？式神に近い？でも別に契約してる訳じゃないし…』

「気配は呪霊だったのに？」

『無黒ちゃんはね、数え切れないほどの呪霊を取り込んで出来た生き物でさ、無機質なものは勿論私がなって欲しい人物にもなれるよ』

「本当かい？」

手のひらに無黒ちゃんを出す。
丸い球体のような形をしているけど、よく見れば黒いモヤのようなものが固まっているようにも見える。
傑に無黒ちゃんを手渡し、一通り観察してもらう。

「…なんか、不思議な感じだね」

『私の血とかをメインに使って、呪霊たちを無黒ちゃんのエネルギーとして取り込んでるの』

「ということは、任務でも呪霊を？」

『そう。別に食べなくてもいいんだけど無黒ちゃん食いしん坊でね』

「例えばなんだけど、無機質なもの以外に生き物ってどんなものに？」

『なんでもだよ』

無黒ちゃんを傑から受け取り、手のひらに乗せてなって欲しい姿をどれにするか考える。
人物で言うなら分かりやすく悟の姿になってもらおうかな？
イメージを無黒ちゃんに飛ばせば一瞬で悟の姿になった。

「…これは、凄いね…」

『でしょ』

「能力は？」

『使えるよ、但し私の呪力によって違う』

「そういう仕組みか」

『とっても便利だよ、ポケ〇ンにもなれるよ』

「え」

『無黒ちゃん』

《ピカー》

「……なんでもありにも程がないかい？」

『だってーポ〇モン好きなんだもーん』

「まぁとりあえず君が悟と同様に最強だた分かったよ」

『最強なのは悟だよー、悟の方が無限扱えるし』

「2人とも最強だよ」

傑は笑ってそう言うけど、いつかはその笑顔も消えてしまうのかな。
そう思ってしまうとやっぱり傑は呪詛師落ちなんてして欲しくないな。
悟の親友だもん、絶対にさせない。
でもそれには、彼に会う必要がある。
その日まではとりあえず高校生を満喫しよう。


(あ、悟からメールだ)
(なんて？)
(今どこって)
(任務終わったんだね)
(よし、無黒ちゃん悟の姿になって)
(何するんだい？)
(悟にドッキリ仕掛ける)
(…そっか)
(ビックリするかなー)
((…たまにAは考えが幼稚だ))

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