今世 目覚めの愛 ページ9
目を覚ました。
視界が白一色になる部屋に私は寝かされていたようだった。
『 損傷部位もない……違和感もなし。成功したのかな?』
信者のある人間が私に話した夢は叶ったようだ。
「愛囁様こそ我らの希望であり幸せなのです。貴方様という導を無くした我らには生きる目的は無く、すなわち愛囁様の死は私達の死を意味します 」
『随分と悲しいことを言うんだねぇ』
「 我らの心と体の全ては愛囁様の為にあり貴方様の願いを叶える為に存ざ……」
『 ちょっと長ったらしいんじゃない?……私にお願い事があるんでしょう?気分が向いたら叶えてあげるよ?』
「 ………はい。愛囁様が愛囁様のままこの世に再び顕著する……それが我らの願いにあります」
『 う〜ん?頭の良い君達ならそれは無理だって分かるよね?一応こんななりだけど私も人間だからね』
彼らから溢れるほど捧げられていた《盲信的愛》の強さをナメていたみたい。
私の中の《盲信的愛》についての情報を更新して長方型の大理石から体を起こす。
『 …手紙?』
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拝啓 愛囁天女様
まず初対面が手紙である私の不躾な行為を謝罪致します。
私の名前は琴真似 美花。
愛囁天女様の第一の下僕の子孫として貴方様の御遺骸を守護してきた一族の末裔でございます。
私の両親は病により私の幼き頃に病死致しました。
そして私が14の歳祖父が亡くなりました。
愛囁様に仕える身ながら、貴方様が目覚めた時、御身のお世話をする者がおらず申し訳ありません。
それでも私が生きていけたのは、社にて瞳を閉ざしている貴方様がいたからでございます。
幼き頃からこの社に眠る貴方様の瞳が開き、伝承に伝わる紅玉のごとき輝きを放つその瞳を見ることだけを私の生きる導でした。
私達琴真似一族には代々貴方様が目を覚ましられた時に伝えよと言われている言葉があります。
愛囁天女様。私たち琴真似一族は貴方様に変わることの無い《不変の愛》と私たち一族の心と体の全てを捧げます。
『いつまでも、いつまでも、いつまでも貴方様を愛し信じております』
貴方様の忠実なる下僕琴真似一族 より
最後に一つだけ。一族からではなく私個人からお伝えしたいことがあります。
『不肖なる下僕の身ながら貴方様を家族のように想っておりました』
琴真似 美花
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時