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今世 独占欲 ページ46




風呂を満たす甘い香りは入浴剤のせいなのか。


それとも俺を抱えるようにして一緒に風呂に入ってるAのせいなのか。


色んな理由で普段より早くのぼせ始めそうな正直な自分の体に辟易する。


『 恵?そんなに背筋伸ばさなくていんじゃない?寄っかかってくれて良いんだよ?』


「 いや、いい 」


タオルも巻いてないのに寄っかかれる訳ないだろ!?


見なくても声色で伝わるくらいニヤニヤしているであろうAに心の中で文句を言う。



『 …………恵は知らないと思うんだけど、私結構なヘビースモーカーなの 』


「 ?」



『 知らないよね。恵に害があるようなことは目の前でしたくなかったし、私の部屋でだけ吸ってたから仕方ないんだけど…そのせいか私の部屋、分かりやすく煙草臭くなっちゃって……恵の体に何かあったら心配だったから入れなかった』


……でも、とそれでも食い下がる俺の頭を後ろから優しく撫でるA。


『 それに私は何より恵が1番大切で大事な存在だから、余計な嫉妬はしなくていいの……勿論してくれても嬉しいけどね、ふふ 』




今まで聞いた事のない声だった。



そのまま言うなら優しくて、全てを許すような慈愛に満ちた声。


だけど聞いてる本人の俺はそんな生易しいものじゃなくて、蜘蛛の巣みたいに相手に絡み付いて甘く蕩けさせるような体の芯が震えるような……そんな感じがした。


「 李さんは? 」


『 李?…………李は嫉妬の対象にしちゃ貴方が辛いだけよ?あの子は私と一心同体だから。私があの子を離すことも、あの子が私から離れることもありえない事だもの』



さっきの俺に向ける声とは違った無機質で言い慣れたような言葉に少しびっくりする。


Aはそのあとも俺の頭を撫で続けて調度良いタイミングでお風呂を一緒に出てると髪の毛をドライヤーで乾かし始めた。


『……お痒いところなどはございませんか〜』


「 ふふ…………大丈夫」


『 あら……今珍しく笑った?…ふふ…可愛いなあ 』


「可愛くなんてねーし!」



幼稚園の人達とか近所の人に可愛いって言われるのは別になんとも思わない。


でもAにだけは可愛いなんて思われたくも、言われたくもなかった。


なんでなんだろう。



『 乾かした直後はツンツンって言うよりふわふわって感じなんだぁ……好きだよ、恵』


「 っ……なんだよ、急に 」



ドライヤーを置いて後ろから胸の中に包むようにハグをされた。

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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ‬߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時

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