今世 ……新品の首輪 ページ16
『 これは想定外の結果だわ』
今の李が何級の呪霊なのかは分からないけど、ただの呪術師に負けるような弱さじゃないのは私がよく知ってる。
「 ッ……くそっ!!」
「 化け猫退治は成功だな 」
終わりが見えない万里の鎖と呼ばれているソレにぐるぐる巻きにされている李はボロボロだ。
『(相手は結構な手負い……それなのに李が負けるなんて思いもしなかったなぁ…………)』
「 ふぅ……そこで協力するでもなく、援護するでもなく傍観に徹してる天女様はどうする?」
『 ん?ああ、ごめんね少し考え事をしてたんだ。あ、李は置いてってね?君はもういいからさ……』
「…………」
『あーあ、ボロボロになっちゃったね新品の首輪』
白目を向いて気絶している李を横抱きにする。
『(なんだか李が小さい時のことを思い出すなあ)……いま思い出に浸ってるんだから邪魔しないでくれない?』
遊雲と呼ばれている刀で飽きもせず私に攻撃をしてくる雑巾男。
「 ッ!……一体なんなんだお前の術式は」
『私の術式は[愛学教術]って言ってね。私が学んだ愛を生物に付与することができるんだ』
「 ……は?」
あ、今なんだコイツみたいな凄い視線を送られちゃったよ。
失礼なやつだなぁ。
『 例えば君の爪先から足の根元まで、指先から腕の根元までに《盲信愛》を付与してみよう』
私の指でなぞる様に彼の体の部位を指定する。
……すると、あら不思議。刀を振ろうとしていた腕は止まり私の前で傅くような姿勢を取る雑巾男
「 体が……動かない?」
『 そりゃそうさ。盲信してる相手を傷つけるなんてそんなこと出来ないでしょ?』
納得したような、してないような微妙な顔をする雑巾男。
『 ねえ雑巾男さん、貴方の愛を私に教えて?』
「 はぁ??……ったく、なんなんださっきから……調子が狂うな…悪いが天女様が期待してるような愛なんてもの俺は持ち合わせていないんでね、解放してくれ」
『 ……愛を知らないの?』
「 知る知らないじゃねえ、俺は愛なんて金にもならねえモノを持ってないって言ってんの」
『 ふぅん……そう。じゃあ、死んで?』
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武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時