外伝:愛し凛くん ページ45
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『高校時代からの恋人という事ですが間違いないですか？』
『あ？ ぬりい質問してんじゃねえよ。こっちはここにサッカーしに来てんだ』
相変わらずの毒舌。メディアに出ているのにこれだけ横柄な態度を取って許されるのは最早凛くんだけなんじゃないかと思う。
『今回のリーグ戦で快挙をあげましたが、プライベートでもよい結果は聞けるでしょうか？』
『交際7年目ということで将来も考えていますよね？』
尚も止まらない報道陣の言葉に彼は進めていた足を止めて 首筋の汗をタオルで吹きながら振り返る。
舌打ち一つして、一つのカメラに近づいてその縁を持った。
『勝手に盗撮して人のプライベートずかずか踏み荒らしてえなら俺だけにしろ。
お前らマスゴミはモラルの欠片もねえがアイツに手出したら潰す』
『っつまり真剣な交際という事で間違いないでしょうか…！』
『ッチ、学習しねえ馬鹿が…。
交際じゃねえよ、もうすぐ籍入れる』
『へ……！！？ い、糸師選手！？ 今のは、』
大量のフラッシュを浴びながら彼はカメラ目線で鋭くそう言った。
街灯の人たちが何人か気絶する勢いで声を上げている。私だって上げたい。
恐る恐る凛くんを見上げれば、テレビの彼と同じ顔していて、半ば強引に手を引かれて終始無言のまま家に帰ってきた。
「あの…凛くん。籍入れるっていうのは」
「言葉の通りだよ。結婚するぞ」
「突拍子すぎない！？」
「７年だぞ。待った方だ俺は」
どさっと荷物を置いた彼は一旦部屋に戻ったかと思うと小さな箱を取り出して私の前で開ける。
小ぶりのダイヤの指輪。誕生日に指輪がなかったのは、これが原因だったのか、とやけに冷静に処理を行った。
「んだよ、不満なのかよ」
「っそんな訳ないじゃん…私でいいの？」
「お前しかいねえわアホ。
…糸師A、俺と結婚してください」
私を射止める青い彗星。
ぎこちない敬語と、もう変わってしまっている名字に笑ってしまった。
触れた彼の指は些か震えていて、彼が一生懸命言葉を紡いでくれたことに熱が溢れる。
「はい、もちろん。――愛し凛くん」
私は糸師になって、凛くんは私の中で永遠に――愛し凛くんなのだ。
彼の嫌うこの名前も、捻くれた性格も繊細な心も、全て私は愛しい。
「隣に居ろ、これからもずっと」
「うん。離れない」
「……バカなやつ」
これからもばかな私をよろしくね。
愛し、凛くん。
fin.
終わり
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おそらまめ(プロフ) - 彩華さん» 彩華様、感想長らく気づかず遅くなり申し訳ありません。ありがとうございます。きっと二人、これからも沢山言い合いして、言葉にならない愛を育んで、お互いが明日を生きる理由がお互いになっていくんだと思っています。また機会があればどこかでお会いしましょう！ (7月21日 13時) (
レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 完結から時間経っているとはわかっているんですけど、これだけは言わせてください。めっちゃ好きです！夢主ちゃんも凛君も末長く幸せになって！これからも他の小説での交信頑張ってください。応援しています。 (7月11日 0時) (レス) @page45 id: 2b870d0ab1 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - mooさん» moo様、コメントありがとうございます！原作で摂取できない分滅茶苦茶に砂糖煮詰めております(^^)楽しんで頂けたようで何よりです。ご覧頂きありがとうございます。 (6月1日 18時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 糖分過多ー！！面白かったです！ (6月1日 3時) (レス) @page45 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ルアさん» ルア様、コメントありがとうございます！大切に作ったので、そう言って頂けて作品も作者同様喜んでおります。こちらこそ、作品を応援して頂きありがとうございます！ (2023年4月19日 14時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2023年3月27日 18時
