朝の光、君の証明

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連絡は突然だった。

その報告を聞いたとき、何も感じなかったのを覚えている。

悲しみも恐怖も何も感じなかった。

ただ、「そうか」と。しんじゃったのか、と思っただけだった。

自分はそんな薄情なやつだったのかと自分で自分に引いた。

親族以外でその報告を聞いたのは僕が最初だった。

僕の両親も通さず、向こうのお母さんが直接僕に伝えてくれた。


最後に話したのはいつだっけ、とか、何話したっけとか考えても、あいつと話す毎日が当たり前のこと過ぎて、逆に思い出せなくなっていた。

死んだ人は初めに声を忘れていくのだと何かで知った。

親の声と同じくらい聞いていた声だったのに、もう忘れかけている。

思い出した。最後に話したのは電話越しだ。

電話は、本人によく似た音声らしい。

…その声を思い出したり、記録を聞いたところで、それは本人の声じゃないんだ。

忘れかけている、ではない。もう忘れてしまっていた。

次は何を忘れるのだろう。ちゃんと覚えていないと。




ああそうだ。そういえば、いつかの誕生日に、あいつにプレゼントもらったんだった。

引き出しに閉まっておいた手紙。あからさまに誤解を狙ったピンク色の封筒。

あいつの思惑通り、はじめはラブレターだと思って困惑した覚えがある。

女子が書くような丸っこい字(誇張されてる気もするが…)で、『勇人くんへ♡』なんて、ちょっと笑える。

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