朝の光、君の証明

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「…はぁぁぁぁぁぁぁ」

浴槽に浸かって、一日の疲れをすべて吐き出すように、大きなため息をつく。

色々考え事をしていたら、夕食の洗い物で皿を一つ割ってしまった。安いものだったけれど少しショックだ。

おまけに皿の破片で指も切ってしまって、風に当たるだけでしみて痛い。

体を洗おうと立ち上がるが、切った指に泡がしみるだろうな、とか考えると気が引けてきて、ざぶんともう一度浸かった。

けど、段々のぼせてきて、我慢できなくなって浴槽から上がった。

指は痛いだろうけど、もうどうでもいいや。洗おう。


シャワーヘッドを持って、頭に向けた。カランを回して頭にかける。

一本、流れがおかしい水を見つける。一度止めて、もう一度水を出すが、やっぱり一本だけ他と向かう方向が違う。

なんだか無性に気になって、シャワーヘッドの穴を覗き込むようにして凝視する。

穴に異常は…


次の瞬間、何も操作してないのにシャワーが勢いよく飛び出した。

いきなりのことで本当に驚いて、つい水を鼻で吸ってしまった。鼻がからい。

顔をしかめながら原因を探る。故障ではない。カランは勝手に動いてる。


「…おい！」

僕は”誰か”を呼ぶ。

「あー、鼻イッタ…。何してんだよ君…ははっ、」

むかつくけど、笑いがこみ上げてきた。

「風呂まで入ってくるって…変態かな。やーい覗き魔ぁー」

調子に乗って煽ると、もう一度容赦ないシャワーが襲ってきた。

「ちょっとまっ、水道代もったいっ、ごめんって、」


…男子高校生が風呂でひとり言を呟きながら水遊び。

何も知らない人がこの光景を見たらどう思うのだろうか。

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