第153話 私、信じてるから ページ4
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円堂が前に出ると、春奈は円堂にも頭を下げた。
「キャプテン！お願いします！！」
円堂はにっこり笑った。
「わかったよ、音無」
「ええ！？」
「キャプテン…！」
円堂は瞳子監督を見た。
「いいですよね、監督？」
「好きにするといいわ」
「ありがとうございます！！さあ！！」
春奈が木暮の方を向いたが、木暮は乗り気ではないようだった。
「い、いや……でも……俺……」
「何怖気づいてんの！みんなを見返すチャンスじゃない！」
「でも……だって……いや……でも……」
俯いてしまった木暮の顔をのぞき込んだ春奈は、にっこり微笑んだ。
「大丈夫よ。木暮くんなら。私、信じてるから！」
その言葉に、木暮は顔を上げた。
「俺を……信じてる？」
「ええ。信じてるわ」
春奈は頷いた。
「──木暮くんなら、きっとやってくれるって！」
こうして、木暮がチームに加わることになった。
「でも、木暮を出すなら、誰がベンチに下がる？」
「私、下がるよ」
Aが言った。
「え？でも、睦月……」
「うちには頼もしいストライカーが二人もいる。私が下がっても問題ないだろ？」
Aが染岡と吹雪を見ながら言うと、二人は大きく頷いた。
「ああ、任せとけ！」
─────
「頑張ってね、木暮くん！」
ユニフォームに着替えて靴紐を結んでいる木暮に、春奈が言った。
「木暮くん」
瞳子監督が木暮の方へ歩いてきた。
「君にはディフェンダーをお願いするわ」
「俺が……ディフェンダー……」
「適任だと思うけど、不服かしら？」
「別に。地味だなと思って」
「じゃあどこがいいっていうの？」
「こだわってないんで。ディフェンダーでいいです」
木暮が無愛想にそう言うと、Aと同じくベンチに座っていた目金が木暮を見た。
「まあ、せいぜい怪我しないことですね」
目金は木暮のいたずらのせいで足を負傷している。
「大丈夫！木暮くんならやれるよ！私、信じてるから！」
「あのさ」
木暮が春奈を睨んだ。
「“信じてる”とか、そんな簡単に言うなよ」
そう言って、木暮はフィールドへと走っていった。
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第154話 本当の木暮くん→←第152話 木暮くんなら大丈夫
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
