第172話 交代は無しだ ページ23
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試合が再開してすぐ、染岡が走り出し、前線へと攻め上がり始めた。
「もういっちょ行くぜ！！」
その時だった。前から来た不動が、染岡の足めがけてスライディングをした。ピーッとホイッスルが鳴り、イエローカードが出された。これはファウルだ。
「ぐああああっ！」
染岡が足を抑えて倒れ込むと、不動は立ち上がり、ニヤッとした。
Aと吹雪が染岡の方へ走った。
「染岡！」
「悪い悪い。まさかこんなのも避けられないとはねぇ」
「お前、今のわざとだろ！！」
「こいつ！！」
二人が声を荒げ、吹雪は腕を振りかぶった。
「やめろ！！」
染岡がそれを制止した。
「殴ったら、お前が退場になる……吹雪！」
吹雪は渋々腕をおろし、不動はそのまま去っていった。マネージャーたちが救急箱を持って染岡の手当をしに来た。
「これ以上プレーはできないわ」
染岡の足の具合を見た秋が言った。
「交代は無しだ……！」
染岡が言った。
「無理するな！」
「くっ…！」
染岡は立ち上がり、円堂の肩をガッと掴んだ。
「役に立たないかもしれねぇが、ピッチに置いてくれ！影山なんかに負けたくねえんだ！！」
「染岡……」
「いいんじゃねぇの？」
吹雪が言った。
「要は、俺らがこいつの分までプレーすればいいだけだろ？なぁ？」
「あ……ああ！」
吹雪が、心配そうに染岡を見ていたAを見ながら言うと、Aはとまどいながらも大きく頷いた。
吹雪は瞳子監督を見た。
「アンタの作戦に乗ってやったんだ。これくらいはいいよなァ、監督？」
「構わないわ」
瞳子監督が承諾し、試合はこのまま続行することとなった。
試合は膠着状態のまま。残り時間はわずかだ。雷門はなんとかパスをつなげて前線へと持っていこうとするが、相手チームもそう容易く攻撃はさせない。
木暮に渡ったボールを奪った不動の前に、一之瀬が立ちふさがった。
「佐久間にはボールを出させない！！」
「ハッ、いい子ちゃんは引っ込んでなァ！！」
不動は一之瀬に向かってボールを打ち込み、一之瀬はそのまま仰向けに倒れ込んだ。
そして──転がったボールは佐久間へと渡った。
「“皇帝ペンギン”………」
「やめろ───ッ！！」
鬼道の制止を聞かず、佐久間はまた足を振り上げた。
「“一号”！！！」
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
