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『、、、確かに、男女差別に限らず、障害者や性的マイノリティー、偏見による世間の目は今もさほど改変されていません。それどころか、SNSの普及によって更にひどくなってきている気さえします』
今は私を慕ってくれとる生徒達だってそう。言い方が悪いかもしれんけど、結局は表面上の私しか知らない。
私の家のことを知っても尚、慕ってくれる保証なんて何処にもありやしない。
『でも、マンちゃんさんには心強い味方が居るじゃないですか』
これは自分にも言えること。本音を曝け出せる仲間。それがどんなに大切で、かけがえのない存在か。
『赤の他人のことなんてどーでもいいんですよ、正直言って。それよりも今、自分を大切に想ってくれている人達を大事に、彼らの意見に耳を傾けるべきです』
私達は理解をしていなければならない。
『そして、自分を守れるのは、一番大切に出来るのは、誰でもない、自分自身です』
友人や家族、仲間を信頼することは勿論やけど、マンちゃんさんには特に、これを大切にしてほしい。
『仲間を信頼する前に、自分の身がもたなければ元も子もありませんから」
ここ数ヶ月で分かったことがある。
彼が「気遣い」さんやってこと。
一度、ふとした瞬間視界に入った彼が、輪の外からみんなの動向を観察している姿を目にしたことがある。
彼は声を掛けられたらなんでもなさそうな顔をしてまた輪の中に戻っていくが、私はどうにもそれが気になって、それからはその様子を目にする度に、彼が少し気になっていた。
恐らく彼は意識的ではなく、無意識の内にみんなの様子を観察してるんやろう。輪の中に戻った時は本心から楽しんどるみたいやったし。
マンちゃんさんから幼い頃の話を聞いて、なんとなくやけど、彼は自分の意志に自信が持てていない気がする。それも、自分の事に関することだけ。
幼い頃のトラウマ、、、と簡潔に言い切ってしまって良いかは微妙なラインやけど、幼い頃に植え付けられた習慣や浴びせられた言葉は、自分にとってマイナスなものほど、何年経っても頭からこびりついて離れんもんや。
多分彼は、一度自分の意志を多数に否定されたことから、自分の意見を否定されることに対して臆病になっている。
『、、、でもね、臆病だったって良いと思うんです、私』
私から出た言葉が予想外のものだったからか、彼は目を開き、驚いた表情を見せた。
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます! (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます!! (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです! (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな!いつもコメントありがとうございます!頑張れます〜!(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒翠 | 作成日時:2022年2月8日 0時