【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃四十六振り目 ページ48

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『...はい、こっち向いて、伽羅』

「......俺に構うな」

『それでまた暴走されたら困るのは私も伽羅も一緒なの！分かる！？私より何百年も年上なんだから駄々こねない！』

「...ちっ......」

『舌打ちするなバカ！』




パシッ、と頭を叩いてやる。

驚いたように顔を上げる伽羅に、私は鼻を鳴らしてやった。




『いつまでも私が昔みたいな何も出来ないガキだとか思ってたら、痛い目みるよ！少なくとも、あんたに出来ないことで、私が出来る事もあるんだから！』

「はははっ、まったくその通りだな、伽羅坊！お前がここまで言いくるめられるのを見るのも、随分と久しぶりだ！」

「うるさい」




結局、口喧嘩を放り投げて諦めるのも伽羅らしい。

今一度意識を集中させ、先の一件で慣れたらしい作業をこなしてみせる。


ぐにゅぐにゅと暴れる霊力。

さすがにもう一度素手で千切るというのも気持ち悪いので、今回は霊剣で叩き斬った。

...こちらの方が、手応えがある。



えぇーっ、その霊剣の付喪神が可哀想だぜA！
＿＿＿と、貞に憤慨した様子でそう言われたが。

...そう言えば、審神者の霊剣にも付喪神が宿るものなのだろうか。

考えたこともなかった。




「いつか、君の前に姿を現すかもしれないね」

「その時は、日頃の感謝を伝えるんだぞ！」




光忠と鶴丸にもそう言われたので、多分、いるにはいるんだろう。

＿＿＿会ったことは無いが、少し興味が湧いた。




「さて...、ヤツのせいで出発は遅れたが、まさか、危険だから山姥切の元には行かないことにした、とは誰も言い出さないよな？」

「それはないだろ！りすくを犯した意味がないじゃんか！！」

「山姥切君はこの本丸一の古株だ。強いし頼りになる。味方に回ってくれたら心強いよ」

「...そうだな」




全員の視線が、こちらに集まる。

...彼らの言う通りだと思う。

山姥切国広＿＿＿、通称「まんば」は、強力なコンプレックスに悩まされてはいるものの、それさえ克服してしまえば本当に良い刀剣になると思う。


写しなんて、こちらとしては気にも留めないことなのだが...。


価値観も、刀(ひと)それぞれという事なのだろう。




『＿＿＿行こう。山姥切国広の元に！』




現状を打破できるのは、その策しかない。

策と呼べるような代物でもないが、
...だが少なくとも、出発当初よりは、希望が持つ事が出来た。





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生まれ育った本丸を、ブラックにされてしまった女の子。



彼女の奮闘記は、まだまだ続く＿＿＿...。



To Be Continued….

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＃作者より（追記アリ！必読です）→←＃四十五振り目

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