＃四十五振り目 ページ47
・
『伽羅！！...冗談じゃないよこんなの、鶴丸！早く出してってば！』
「分かった、分かったから！そう急くなA！」
俺だって伽羅坊が心配なのは同じだ、分かるだろう！？
＿＿＿鶴丸の言葉に、唇を噛み締める。
「だがまだだ、まだヤツの気配が消え切ってない。あいつなら大丈夫だから！」
『あの様子のどこが大丈夫なんだって言ってんの！いい加減にしないと＿＿＿』
「しないとどうなる？俺に手を出せるようなお前じゃないだろう！...あ、待てよ、
...消えたな、よし、行くぞ！やっぱりあいつは一人にするべきじゃなかったか...！」
悔やむ声と共に、私と伽羅の間に張られていた、神域と神域の壁がスッ...と消えた。
ふわりと畳に足を下ろし、私はすぐに倒れ込んでいる彼の元へ向かった。
......黒い。
光忠から感じていたあの感覚が、今は確かに、伽羅に宿っている。
『伽羅、...伽羅！！しっかりしてよ！それで倒れるあんたじゃないでしょ！』
「...く..な...」
『......！？』
何かを呟く。
近くにいても聞き取れないほどに、その声はか細かった。
もう一度聞き直そうとする間に、鶴丸、光忠、貞もこちらへ駆け寄ってくる。
『言いたいことがあるならはっきり言って！皆ここにいるから＿＿＿、』
「来るなッ！！！」
「「「『＿＿＿！』」」」
「俺に...、近寄るな...！！」
息が荒い。
うずくまっていた顔が、微かに上がる。
...大きな声を出されて呆然としているこちらを、あらん限り睨みつける。
「か、伽羅...」
「おいお前、その目...！」
「......"これ"を抑えていられるか...、自信が、無い...っ！」
苦しそうな声。
絞り出された言葉は、それでもこちらの身を案じている響きを持っていた。
...何も言えない。
けど、彼は彼の中で、自分ではない何かと懸命に戦っているように見えた。
＿＿＿貞と鶴丸は、その事を伽羅の瞳を見て気づいたのだ。
紅から金、金から紅に揺れ動く光。
"これ"、とは。
仲間さえも襲いかねない、殺気だろうか。
...めまぐるしく変わる瞳の色は、次第に落ち着き、
そして。
一度深呼吸して、息を整える。
次に大倶利伽羅が目を開いた時、光は完全な金色に戻っていた。
見ていることしか出来なかった四人の間に、安堵の溜め息が交差した。
「どうやら勝ったみたい、...だね」
「ひー...、どうなるかと思ったぜ...」
まったく同感だ。
こちらに顔を見せようとしない伽羅の目の前に立ち、私は両腕を突きだした。
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＊紫苑＊(プロフ) - わざわざこちらまで、ありがとうございます！少しでも多くの読者様に見てもらえると、やっぱり嬉しいものですね(*'ω'*)占ツクの中にも、色々な考え方があるという事ですかね...。気にする必要はないと思いますよ！お互いに、頑張っていきましょう！!(^^)! (2018年10月20日 10時) (
レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
零架(プロフ) - 私の作品でのコメントありがとうございます！紫苑さんの作品も是非読みたいなと思い、やってきました！それと、私の作品の方の紫苑さんとの会話の上のあれは気にしないでくださいね。最近なんか荒らされてて... (2018年10月16日 21時) (レス) id: 93f581e909 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊ - 四季さん» コメントありがとうございます！ブラック本丸のブラック審神者ということで、姿から雰囲気まで"闇"満載です(/ω＼)作者一番の推しである伽羅ちゃん追い詰めて、この審神者に一切の手加減しちゃいけないな...！と、我ながら気合入れました(笑)ぜひご期待ください！ (2018年9月1日 20時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
四季 - え、なんなんすか？このクズ審神者。早くこいつが倒されるとこ見てえ…。更新頑張ってくださいね！ホント大倶利伽羅傷つけた時点でブッチーンっていっちゃてるんで、最後どうなるか気になります…。楽しみにしてます！ (2018年8月29日 16時) (レス) id: ae7acc3881 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊ - 慶花さん» ブラック本丸要素は上手く出せないんですけど、夢主ちゃんはこれでもかというほど、序盤で一気に追い詰めましたね(笑)その分、伊達組の登場で緩和させたつもりだったんですけど...！しんどいのがブラック本丸の醍醐味ですから！これからもぜひお楽しみください！ (2018年8月25日 12時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2018年7月5日 17時
