【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃三十六振り目 ページ38

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「善戦はしたつもりだったんだぜ？まったく理解できない状況だろうが、狂気じみた笑みを浮かべながらこっちを見てる影華がいようが、その隣に政府の重鎮であるはずの男がいようが、俺たちは戦い続けたんだ」



少しずつ、鶴丸の語りに熱が帯びてくる。

＿＿＿突っ込みたい部分はわんさとあるが...。


今は、最後までこの「物語」を聞くのが先だ。




「いつ頃だったかな...。お前を小学校に送り出して、襲撃が始まって数時間。
明留の調子が狂いだしたんだ。有り得ないミスと、使っていないはずなのに異様なスピードで減っていく霊力＿＿＿」

「全ては、奴の＿＿＿、影華が仕掛けた罠だった」

「本丸のそこかしこに、主の霊力を分散させる仕掛けが設けられていたんだ。
...まったく気が付かなかったよ、カッコ悪いことに...」

「影華の霊力は明留の霊力を吸い取り、時間遡行軍はパワーアップ。醒めない悪夢を見てるみたいだっだよな...」




あとは、それの繰り返し。
明留の霊力が切れてしまえば、あとは向こうのもの。

...結果は、知っての通りだ。

本丸の、敗け。


凄惨な光景だったという。
美しかった本丸は荒れ果て、刀剣たちもボロボロ。


最後の霊力を使い切った母は、その場に崩れるように倒れ込んだ。

...近くにいたのは、光忠と大倶利伽羅だった。




［Aを...、あなた達に託すから...！ごめ、んね...！］

［おい！どういうつもりだ、...あいつを置いていくつもりか！？］

［駄目だよ主！諦めない、で＿＿＿、ッ！！］




母は彼らの腕の中で、..."消えた"という。

真っ白な光に包まれて、文字通り、実体を消した。




「その時は、何が起こったか見当もつかなくて...。今でもそれは一緒だけどね」

「...淡い期待を抱かせるようで悪いが...、俺たちは、明留が"死んだところを見ていない"。」

『.........。』




申し訳なさそうな二人だったが、そんな顔をするのは間違ってる。

...何も、悪くないのに。




「結果、審神者を失くした俺たちの霊力も根こそぎ奪われて＿＿＿、後は、多分Aが思ってるのとほとんど変わらない展開だ」

『...つまり、その影華って人が審神者になって、最初はみんなも抵抗してたけど、それまでの記憶を奪われそれっきり、って、こと...、か...』

「勘がいいな！そういうことだ！」

『...いや...、そんな笑顔で言われてもなぁ...』





何だか、疲れてしまった。

頭の整理に、しばらく時間が欲しいところだ。


現実逃避でもするように、私はぼんやり辺りを見渡した。



.........。


...ッ！！



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