【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃三十三振り目 ページ35

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全ての始まりは、この本丸にやって来た、一人の女の存在だった。

＿＿＿え？私はそれすら聞いてない、って？
あぁそうだ、お前は残念ながらこのことは知らされてなかった。


お前が寺子屋、...おっと、今は小学校って言うのか？


...女がこの本丸に来るのは、Aがそこに通ってる時間だけだったからな。
主も、これくらいのことならあの子に説明する必要もない、って、割り切っていたよ。


そう、この本丸にも、「見習い」が来てたんだ。


そいつがどうにも変なヤツでな...。

変、というか、むしろ...、いや、俺でも言葉に出来ないから、驚きだよ。



とにかく、そいつは全てが"黒かった"んだ。



言葉通りの意味で受け取ってくれて構わない。

まぁ、お前たちの世界では当たり前だろうが、髪の毛は魅入られるような漆黒、
瞳は底無しの闇みたいな黒だ。


身に付けている服装も黒、黒、黒。


俺をまったく正反対に逆転させたみたいなヤツだったから、少なくとも俺の中では第一印象はあまりよくなかった。

...キャラ被りって、よくないだろ？


あ、そんなことはどうでもいいと...。

悪い悪い、話を元に戻すとしよう。


そいつは、「影華(えいか)」と名乗った。


姿形、そのまんまの名前だと思うだろ？
俺なんて、最初バカにされてんのかと思ったくらいだからな...。


まぁ、主は周知の通り優しい人間だっから、そんな偏見は抱かなかったらしいけどな。



さて、キーワードは「見習い」だ。

A、「見習い」と言えばまず最初に何を思い浮かべる？



..........。



＿＿＿そう、大正解！



「乗っ取り」だ。



お前、一発でそれを出すか普通？
昔と比べたらまぁ、随分とひねくれちゃって...。

え。
あ、いや...、

...あぁもう、そう睨むなよ！



もう一回、話を元に戻すぞ。

最初は、特にこれと言った異変は無かったんだ。
普通に仕事をこなすし、男士たちともごく普通に会話も出来る。

＿＿＿ただ、時々見せる不可解な笑みが、今思えば"それ"の暗示だったのかもしれん。



影華が見習いになって二カ月が過ぎた頃...。

唐突に、"それ"はやって来た。

一通の文としてな。



ありゃ驚かん方がおかしいぜ...。

「今すぐその本丸を捨て、審神者の身柄をこちらに渡すべし。逆らうのなら容赦はしない」

＿＿＿ってな。





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