【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃二十五振り目 ページ27

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ここに来てまず最初にやろうとしていた事＿＿＿、
考えは、一応あった。

何があっても、きっとこちらの味方についてくれるであろう。
...そう思っていた刀剣。


それが、この四振りだった。

小さい頃からずっと、色々とお世話になっていたし所々で"してやった"記憶もある。

＿＿＿本丸の中でも、特に、仲の良かった四振り。


事実、危機一髪のところで私のことを助けてくれた。

...それが運命なのか何だったのかは、私にもよく分からない。

でも。




『...分かった。ありがとう、話聞かせてくれて。...あと、助けてくれて』

「...いいんだ。そろそろ行くのかい？」

『私なら、自力でここから出て行けるからいいよ。...こんのすけ』

「...は」

『何か、私がここにいられるような隙間は無かったみたいだね。...行くよ』

「...A様......」




こんのすけの喋り方に、違和感を感じたのだろうか。

鶴丸がふと、首を傾げた。




「なぁ、さっきから思ってたんだが、何でこんのすけがこの子の事を"様付け"で呼ぶんだ？」

「...鶴丸殿、それは貴方自身の記憶に問うべきですぞ」

「記憶、ってもなぁ...、無いもんは無いんだぞ？それをお前は、一体どうしろと＿＿、」

「いや、待て鶴丸。...どういうことだ...？＿＿＿おい、お前」

『......何』




鶴丸が首を傾げようがどうしようが、もう知った事ではない。
さっさと出て行こうとした矢先、私の足を止めたのは大倶利伽羅の声だった。

...振り返って、無感情に返事をする。



＿＿＿いや。

振り返るより先に、私の髪に誰かが触れた。




『なっ！？ちょ、誰、何やってんの！』

「動くな」

『...！？い、いきなり何をっ...！』

「いいから。髪が絡む。じっとしてろ」




慣れた手つきで、声の主は私の髪をするりと解く。

...大倶利伽羅って、そう言えばよく私の髪縛ってくれてたっけ...、
などと悠長なことを考えている暇は、なかった。


彼の手が離れたと思って、私は今度こそ振り返って＿＿＿、

...そのまま、何も言えなくなってしまった。




『な、んで.......』

「「「「.....ッ...！」」」」

『何で、あんたたちが、そんな...、泣きそうな顔、してんの...！』




四振り揃って、大倶利伽羅の手のひらに置かれた何かを見て、呆然としていた。


何で？
＿＿＿考えてから、はっと自分の頭を触る。

あるべき所に、"あれ"がない。

毎日欠かさず、学校にもつけていった、


.....私の、髪飾り。

竜と三日月が象られた、小奇麗な髪飾り。


それが、大倶利伽羅の手に確かに収まっていた。

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