【刀剣乱舞】生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃二十三振り目 ページ25

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『えと...、その、匿ってくれてありがとう、っ、ご、ございました...』

「ううん、気にしないで。いきなり連れ込んだのは僕の方だから。
...怖がらせて、ごめん」

『！！そんな...』




随分と他人行儀な挨拶になってしまった。

一瞬口がつかえたのは、向こうが私のことを覚えてないということを、思い出したからだ。
＿＿＿初対面で「ありがとう」などと軽々しく言えるような性格ではない。


特に何も言う事がない。
変な沈黙に包まれていると、今まで奇跡的に閉められっぱなしだった襖が、勢いよく
開け放たれた。

スパンッ！！...と。

随分と小切れのいい音が、響いた。




「おい光坊！こんな無茶振りは今日かぎりにしてくれよ！？まったく！」

「いくら俺でも冷や汗もんだったぜ...！まさか長谷部のヤツ、本気で来るとは！」

「......。で、そいつか。...例の、"人間"ってのは」

「そ。この借りはいつか返すよ、みんな」

『......！』




逆光で、シルエットとしか見えなかった三振りが、目の前にいる。

...鶴丸じいと、貞ちゃんと、伽羅が。
＿＿＿再びそう呼べるようになる日が来るのかと、...そう考えると、辛かった。




「...ちなみに、この無茶振り、僕が考えたんじゃないんだけどね。
もう隠れてなくてもいいんじゃない？...こんのすけ」

「本当に申し訳ありませんでした、伊達刀の皆様...！」

『....え』




どういう展開だ、これは。


依然腰を下ろしたままの光忠の後ろからちょこちょこと現れたのは何であろう、

＿＿＿こんのすけだった。




「A様、お近くを離れてしまい、面目次第もございません！」

『...いや...、お前が無事で良かった、...かな』




...それくらいしか、返す言葉が見つからない。

どこからどう話がつながるのか、まだ理解できてない。




「私、いち早く清光殿の気配を察知致しました故...、先に光忠殿がお眠りになられていたこの部屋へ、状況を説明しに向かったのでございます！」

「だから僕は、君がここに来た時に匿ったんだ。...何があったかはよく分からないけど、こんのすけの頼みとあらば、無下にも出来ないからね」

『そう、だったん、だ...』




清光に襲撃された時、すぐに助けに来てくれたらこんなことにもならなかったのに...、
という言葉は、飲み込む。

立ってこんのすけの話を聞いていた残りのみんなも、私を囲むように座った。

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