437話 ゼロの執行人 ページ38
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エッジ・オブ・オーシャンに到着し、建築中のビルに向かった。
資材用のエレベーターに車ごと乗り込み上昇する。
「間に合うのか？」
「このビルの高さと、カジノタワーまでの距離を考えると、あと1分後にここから加速できれば…」
コナンはスマホのタイマーで１分を計測する。
彼の脳内は今、カジノタワーに避難している蘭でいっぱいなんだろう。
その様子に零さんも気づいてか、じっとコナンを見つめている。
その視線に気づいたコナンが顔を上げた。
「な、何…？」
「愛の力は偉大だな」
そう言って笑う零さんに、こんなときに何を言っているんだ、と呆れるも、少し緊張が解けた気がした。
「え…」
コナンは間抜けな声を漏らしていたが。
エレベーターが止まり、最上階に到着した。
扉が開き、車がゆっくり前に出る。
真っ暗なビルの中を、車のライトだけが照らしていた。
「前から聞きたかったんだけど、安室さんとAさん、付き合ってるんだよね？」
『え』
なんでこのタイミングで君までそんなこと言うんだ、とコナンを見下ろす。
気づかれていたとは思うが、ハッキリ言ったことはなかった。
言うつもりもなかったし。
「はは、面白いこと言うね、コナンくん」
零さんも、ハッキリさせる気はないようだ。
まぁ、相手はまだ子供だし。
ポアロではからかって楽しんでいたようだけど。
「じゃあ、安室さんって彼女いるの？」
スマホを操作しながら、コナンは追及を続ける。
どう返すつもりなんだろうか…、と内心そわそわしながら零さんを見つめる。
彼は一度目を逸らすと、笑みを浮かべた。
そして、右手でハンドルを優しく握り、左手でギアを包むように握った。
「僕の…恋人は…この国さ」
その答えに、思わず笑みが零れた。
確かに俺は零さんの恋人だが、何かあったとき、零さんが選ぶのはこの国だ。
彼は、その選択が出来る人。
彼のことをよくわかっているつもりだし、俺もそうするだろうから、とても零さんらしい回答だと思った。
コナンも、はぐらかされたことはわかりつつも、その答えに満足したようだ。
もっとも、この小さな探偵が聞きたかったのは単純に彼女の有無なんかではなく、彼がなんのために生きているのか、なんのために死ぬのか聞きたかったんだろう。
彼の強い信念を確かめるために。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます！人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (
レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます！ずっと読んでいただけて嬉しいです！それも面白そうですね…！ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います！ (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます！長いのに、ここまで読んでくれたのですね…！お疲れ様です！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年7月13日 14時
