428話 ゼロの執行人 ページ29
「それで警視庁に探査機を落とす計画を…」
「ああ。はくちょうの帰る日が羽場の命日だと知ったときから…」
「IOTテロは?」
「計画にはなかったが、検事として無実の人間を起訴させるわけにはいかなかったんだ」
「毛利小五郎が犯人じゃないと証明するために、IOTテロを?」
「ああ。だが咄嗟のことで、被害の規模は予想を超えていた」
「もうこれ以上、罪を重ねちゃダメだ!不正アクセスして変更したコードを教えて!」
コナンの言葉に、日下部は立ち上がる。
「公安警察は正義を守るプロだ!羽場のような正義が失われちゃいけない!」
開き直り始めた日下部の肩を、後ろから零さんが掴む。
「コードを言うんだ!」
その手を振り払うと、日下部は自らの両手を零さんの前に差し出した。
「私を逮捕すればいい!取調べでは一切を黙秘する!」
「日下部検事!」
そんな日下部に、コナンはスマホの画面を向けた。
これが最後の切り札だ。
その画面に映るのは、警視庁の屋上にいる、羽場二三一の姿だった。
《日下部さん!》
驚きのあまり絶句し、目を見開く日下部。
「バ…バカな!?なんで羽場が!?」
「警視庁ヘリポートのライブ映像だよ」
「どういうことだ…!?」
日下部は動揺を隠せないまま零さんを見る。
「拘置所で彼を取り調べた公安警察は、彼を自 殺したことにして、これまでの人生を放棄させたんだ。公安検事が協力者を使っていたという事実を隠蔽するために。そして、公安検事が二度と協力者を作らぬよう、そのことは貴方にも伏せられた」
協力者たちを管理し、その身の安全を保護するのが俺たちの仕事の一部。
零さんはそれをまっとうしただけだ。
「自らした違法作業は、自らカタをつける。貴方にはその力がない!公安警察がそう判断したんだ」
零さんの厳しい言葉に、日下部は悔しそうに俯いた。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時