357話 ページ8
『…俺、ですか…？』
「…はぁ、ライ、貴方もヤキが回りましたか？こんなド素人に何が出来るんです？」
「顔は悪くない。それに、ターゲットの好みは黒髪の青年ときた。適役だと思うが？」
タバコを吹かして提案するライを、バーボンは睨みつける。
「僕は反対ですよ。第一、彼が何者なのかもわからない。敵側のスパイだったとして、作戦を漏らされたりでもしたら全てが水の泡。今こうしている状況だって、危ないかもしれないのに！」
まぁ、正しい判断だよな。
俺だってそういう判断をする。
スコッチさんは、俺に判断を委ねるつもりらしく、ハラハラしたような視線を送ってくる。
『…あの、俺にできることなら、やります…。助けていただいた、お礼に…』
そろりと起き上がり、健気にそれを受け入れる演技。
それに食いついたのはやはりバーボンだった。
「馬鹿ですか？下手をすれば死ぬかもしれないんですよ。君は僕たちが何をしようとしているか、分かっているんですか？」
警察として、一般人を巻き込まないようにしようとしているのか。
それともただ単に、俺が邪魔なだけか。
どっちにしろ、ここに飛ばされた以上、昔の彼らの様子を近くで見たい。
『…ターゲットから、情報を引き出して、始末するんですよね…？俺、出来ます…』
「そう言っているが、どうする？バーボン」
ライはどこか楽しそうだ。
「っ…、わかりました。ただし、君がどうなろうと、僕には知ったことではありません。作戦のためにサポートはしますが、何者か分からない君のことを、助ける義理はありませんから」
それが、バーボンとしての選択。
零さんの本心なのかは分からないけれど。
「…マシロ、風邪は？」
スコッチさんが心配そうに聞いてきた。
『ご飯と、薬のおかげで、だいぶ…。それより、あの…トイレ、行きたいんですが…』
「あ、ああ、わかった」
スコッチさんが立ち上がり、手錠の鍵を取り出すと…。
「俺が連れて行く」
ライがスコッチさんの手から鍵を奪い取り、手錠を解いてくれた。
「…ライ、どういう風の吹き回しですか。自分は世話をしないと言っていたくせに」
「気が変わった。立て。さっさと行くぞ」
ライの後を付いて、６畳ほどの部屋の外に出る。
トイレはアパートの外に共用のものがあるらしい。
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096 - 柳さん» いえいえ！こちらこそありがとうございました！これからもよろしくお願いします！ (2019年7月13日 14時) (
レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました！これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…！紛らわしい書き方をして申し訳ありません…！ご意見ありがとうございます！ (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…？間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます！内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます！これからも頑張りますので、よろしくお願いします！ (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年6月16日 21時
