【名探偵コナン】異世界の訪問者8《男主》

397話 ゼロの執行人 ページ48

『とりあえず、もう暗くなるし送っていくよ』

「…うん」


公園から出て歩き出す。



「Aさんって、車買わないの？免許取ったよね？」

『あー…、買おうかと思ってたんだけどね…。置く場所、ないし…』


本当は、助手席に乗るから必要ないだろ、と言われたのだが。


『でもやっぱり、移動手段がないと不便なんだよなぁ。徒歩は限られるし』

「じゃあ、バイク買ったら？それなら、置く場所もそんなに取らないし」

『バイクか…』


二輪免許も一応取っておいたし、何年か前もバイクを使っていたし、いいかもしれない。



『じゃあ、帰り買って行こうかな』

「そんなあっさり決めんのかよ…」

『中古でいいんだよ。早く欲しいんだ』


何かあったときにすぐに駆けつけられるように。

歩いていると毛利探偵事務所の看板が見えてきた。


『何かあったら連絡して』

「うん。そういえばAさんは法律の面は詳しくないの？」

『舐めてもらっちゃ困るな。これでも警察学校首席卒業だよ？まぁ、現役の弁護士さんに比べたらまだまだひよっこだけどね。じゃあ、頑張ってね、探偵くん』


背を向けてひらひらと手を振ると、「Aさん！」と後ろから呼び止められた。


「…俺はあんたのこと、信じてるからな…！」

『……光栄だね』



・



コナンと別れた後、すぐに中古のバイク店に寄った。



『あ』


入ってすぐに見つけた、ネイキッドCB250Fの黒に目を惹かれた。


「坊ちゃん、それが気になるのか？」

店主と思われる男性に声をかけられた。


「運がいいね。比較的新品だよ、それ。新型だしね」

『すぐ乗れます？』

「問題ないよ。買うのかい？」


中古の割りに値段ははるが、新品同然なら頷ける。


『買います。これで』


下ろしたての札束が入った封筒を渡す。



「い、一回払い…しかも現生かい…」

『手続きお願いできますか？』


・


鍵を差込み、エンジンを吹かす。
なかなかしっくりきた。


「サマになってるじゃないか、坊ちゃん」


店主の男が腕を組み、店先に見送りに来た。


『ありがとうございました』


諸々の手続きを済ませ、大人用のヘルメットを2つと子供用のヘルメットを１つ購入した。


これでどこにでも行けるし、何かあったとき零さんを後ろに乗せられる。
コナンもだ。

久しぶりのバイクの感覚に、少し興奮するも、それを隠してヘルメットを被りギアを入れた。


最初は安全走行で、家への帰路に着いたのだった。




・

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