【名探偵コナン】異世界の訪問者8《男主》

381話 ケーキが溶けた！ ページ32

ケーキが崩れる理由として考えられるのは…ストッカーの故障、くらいしか…。



「とりあえず、モーニングが出来たので、食べてください」


安室さんは手際よく盛り付けると、みんなの前へ料理を置いた。

コナンたちは美味しそうにそれを食べ始める。
なかなかに好評らしい。


その間、俺はじっとケーキが溶けた理由について考えていた。


誰かが故意的にやった可能性はなくはないけど低い。

もしストッカーの故障じゃないとしたら…。



目に付いたのはIOT家電である電気ポット。

その注ぎ口は、ストッカーの冷気の入り口に向いている。



「お待たせしました。どうぞ」


原因を考えていると、目の前に出されたのは切り分けられた溶けたケーキ。



「完璧なものじゃなくてすみません。でも、味は変わらないと思うので」


安室さんに差し出されたケーキを、一口大に切って食べる。



『……美味しいです』


悔しいけど、味はまったく衰えていない。



朝食を食べ終えた蘭たちにもケーキが振舞われた。



「なんで…朝っぱらからケーキなんだよ…」


ブツブツ言いながらも、毛利さんはケーキを食べる。



「ん!?美味い！」

お気に召したようだが…。



「卵の味が濃いね！」

「普通より多く使ってるからね」


安室さんも梓さんもケーキを食べながら味を確認する。



「味は前と変わらず美味しいですよ！」

「でもこの見た目だと、一般のお客さんには出せないわ」


まぁ確かに、崩れたケーキじゃ、商品としては難しい。




「作り方が悪いんじゃねぇのか？二度あることは三度あるってな」

「お父さん！」

「でも、確かにそうなるかもしれませんよ…？原因が分からないと…」

「ええ…。何か解決策を考えるべきでしょうね」



安室さんが思案する様子を、今度はコナンがじっと見つめていた。




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