378話 ページ29
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『まだ開店前だけど、俺入っていいの?』
「ええ。大丈夫ですよ。カウンターに座って待っていてください」
安室透モードになった彼について、ポアロに入る。
言われたとおり、カウンターの一番端に座って開店準備を始める安室さんを見つめる。
「おはようございまーす」
しばらくすると、梓さんが出勤してきた。
「おはようございます、梓さん」
『おはようございます。すみません、お邪魔してます』
「黒瀬さん!ふふ、安室さんと一緒に来たんですか?」
「新作ケーキを食べたいと言うので、つれてきたんです」
新作のモーニングメニューを煮込みながら、安室さんは梓さんに微笑む。
「黒瀬さん、甘いもの好きですもんね。ゆっくりしていってください」
『ありがとうございます』
「ケーキ、もう食べますか?」
『いや、開店してからでいいですよ。先に準備してください』
ピンク色の何かを煮込む安室さんに言葉を返す。
『…それ、なんです?』
気になってつい聞いてしまった。
「新作のモーニングです。ミートボールとキャベツのミルクトマト煮です」
『へぇ…』
美味しそうな匂いはするし、彼の料理だから間違いなく美味しいんだろうけど…不思議なものを作るなぁ…。
「食べますか?でも、朝食綺麗に完食してましたし、お腹いっぱいでしょう?」
『今のところは…。また今度いただきますね』
そんな会話をしていると、バックヤードからエプロンをつけた梓さんがやってきた。
「お2人とも、一緒に住み始めて長いですけど、どんな生活してるんですか?」
その質問に、安室さんと目を合わせる。
『どうって…安室さんは探偵のお仕事で家にいないときが多いので、俺は俺なりにぐーたら過ごしてますけど…』
「いいんですか?それで!黒瀬さんもいい歳なんだから、そろそろ安定した職につかないと!彼女さんとこれからの話しないんですか?」
詰め寄る梓さんに、思わず圧される。
そういえば、以前の安室さんの発言のせいで、梓さんは俺に彼女がいるって勘違いしているんだ。
「恋人さんの意向らしいですよ。ヒモ男を世話するのが好きな働き者らしいので」
誰がヒモ男だ。
安室さんを睨むも、笑顔で返された。
「そ、そうなんですか…」
あれ、ちょっと梓さん引いてない?ねぇ?
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時