377話 ページ28
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季節は春を迎え、少ししたある日、目を覚ますといつもより早い時間。
しかしすでに零さんは隣にいなかった。
その代わり、リビングからいい香りが漂ってくる。
ベッドから起き上がり、畳の上に足をつける。
寝室とリビングを繋ぐ襖を開けると、キッチンに立つ零さんの姿があった。
「ん?早いな、おはよう」
『おはよう…。今日はポアロ…?』
スーツじゃないし、こんな早くに準備してるってことは、今日は安室透なんだろう。
「ああ。…そうだ、一緒に来ないか?新作のケーキがあるんだ」
『ケーキ…。行く…』
「じゃあ、一緒に朝ごはん食べよう。準備して来い」
『ん…』
欠伸を漏らしながら洗面所に顔を洗いに行く。
着替えを済ませてリビングに戻ると、朝食が机に並んでいた。
向かい合って手を合わせ、「いただきます」と声を合わせる。
炊きたてのご飯に豆腐とわかめの味噌汁。
焼き鮭もいい塩加減で、ほうれん草のおひたしも美味しい。
一体いつも何時から起きて作っているのか…。
零さんはいつも俺を起こさないように気配を消して朝支度するから、真相は謎だ。
『新作ケーキって、どんなの?』
「クリームたっぷりのベリー系のものなんだけど……」
そこまで言って、零さんは言葉を切った。
「…ちょっと問題がね」
『問題?』
「まぁ、来てもらえば分かるよ」
なんだろうか…?
首を傾げながらも朝食を完食し、俺は零さんと共にポアロに向かった。
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時