370話 ページ21
「…皆さんのお話を、少しお伺いしてもいいですか?」
「その前に刑事さん、緒川を家まで送ってきてもいいでしょうか。元とはいえ、恋人が亡くなって彼女も辛いはずです。ここにいさせるのは酷かと…」
顧問が提案する。
『いえ、彼女も重要参考人です。終わったら私が送っていくので、誰もここから出ないでください』
「っ、さっきからなんなんだ君は!探偵だかなんだか知らないが、勝手にこんなところまで入り込んで、部室を勝手に開けて!」
『もちろん正式な手続きをして、私は正面から学校に入れてもらいました。不法侵入ではないはずですが?』
俺に詰め寄ってきた顧問の男はぐっと言葉を詰まらせる。
「バスケ部顧問の笹川先生ですね。貴方からも、お話を伺ってもよろしいですか」
佐藤刑事に言われ、笹川は悔しそうに俺を睨みながらも事情聴取に応じた。
聴取を聞きながら、遺体が運び出された部屋の中を調べる。
彼のロッカーの中は綺麗に整頓されている。
まじめな性格が窺えるが…。
最初から、おかしいとは思っていたけど…もしかして…。
『ねぇ君たち、糸井部長が部活をサボる、なんてことあった?』
「え?いや、部長はまじめだったし、サボるなんてことなかったですよ?」
『じゃあ、部活が休みだった日って、いつか覚えてる?』
「えっと、確か…先週の金曜日だったかな」
先週の、金曜日…。
【見たんだ、先週の金曜日、あいつが後ろをつけてきてるの】
それに…さっきの、あの人の言葉……。
…そうか、そういうことか…。
でも、物証がない…。
『……ん?』
足元に、青い何かが落ちているのに気づき、指紋をつけないよう、ハンカチを使って拾い上げる。
これは……!
…証拠、見つけた。
『目暮警部。事情聴取はもう必要ないです』
部員に事情聴取していた目暮警部に声をかけた。
「黒瀬くん?どうしたんだ、犯人がわかったのかね?」
『ええ。わかりました。今回の緒川さんのストーカーの犯人も、ね』
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096 - 柳さん» いえいえ!こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします! (2019年7月13日 14時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 096さん» なるほど、説明ありがとうございました!これからも頑張ってください (2019年7月12日 6時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 柳さん» 現生は、少し乱暴な現金の類語で、生の現金という意味です…!紛らわしい書き方をして申し訳ありません…!ご意見ありがとうございます! (2019年7月11日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 397話の「い、一回払い…しかも現生かい…」のところ、「現金」ではないでしょうか…?間違っていたら申し訳ございません (2019年7月10日 23時) (レス) id: 6c07f7b951 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 花奏さん» コメントとお祝いのお言葉ありがとうございます!内容をお褒め頂き、とても嬉しいです…!!お気遣いもありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年6月16日 21時