799話 紺青の拳 ページ50
「所有者の希望なのです。ここの金庫は独自開発された最新鋭のシステムで、銀行の金庫よりも安全だということで…」
リシの言葉の途中で、耐えられないといったようにキッドが笑った。
「最新鋭か。今度ばかりはキッドのヤツも手こずりそうだな!」
自分でよく言うよな…。
コナンも俺と同じく呆れ顔だ。
「何言ってるの!?」
だが、異論を唱えたのは園子だった。
「どんな最新鋭の金庫だって、キッド様にかかればチョチョイのチョイよ!」
そういえば、園子は熱狂的なキッドファンだったな…。
視界の端で、槍を掴む京極の手に力がこもったのが見えた。
「ねぇ、園子…」
それに気づいた蘭が園子をとめようと声をかけるが、園子はそんな彼氏の様子を気にも止めない。
大丈夫か…?
鉄の槍がヘコんでるけど…。
「蘭だって知ってるじゃない!キッド様の華麗な盗みのテクニック!世界中のどんな女性も、彼にかかればハートも盗まれ放題…」
「ストップ園子!」
蘭の強めの静止に、ようやく園子の口が閉じた。
そして、無表情で立っている京極に気づく。
やばい!と顔面蒼白にした園子は慌てて弁解しだす。
「ま、まぁ、私と蘭以外はだけどね!ねー!蘭!」
「う、うん、もちろんよ!」
蘭がフォローしたとき、ベキッという音がホールに響いた。
京極の手元には折れ曲がった鉄の槍。
さすがのキッドもこれにはかなりビビったようだ。
「オメー、下手すると無事じゃ済まねぇぞ…」
「おいおいおい…」
コナンがこそっと耳打ちし、キッドも項垂れる。
『俺としては、京極さんに一発やられてくれたほうがありがたいんだけどね』
憂さ晴らしにそう言うと、キッドは泣きそうな表情で俺を見た。
・
837人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時