795話 紺青の拳 ページ46
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「ええ!?大会に出場できなくなった!?」
アイスを買って、日陰になっている高架橋の下に移動した俺たちは、京極から空手のトーナメント大会に出場できなくなったことを聞かされた。
「私達、真さんの試合を見に来たのに!?」
「すみません…。今回のトーナメント、自分はある方の招待を受けてエントリーしていたのですが…」
「つまり、スポンサー?」
キッドの問いに、京極は頷く。
「弁護士をされているシェリリン・タンという方が、旅費や滞在費全て出すから出場してみないかと。ただ、その方が突然亡くなられてしまって…」
キッドが、ウエハースでサンドされたアイスをかじる。
…京極のスポンサーである弁護士の突然の死――…何か、裏を感じる話だな。
「今日、その方の関係者から話は全てなかったことにしてくれと言われました」
「そんなぁ…」
園子はガッカリとあからさまに肩を落とす。
そんな彼女を見て、京極も申し訳なさそうに俯く。
「この大会には、シンガポール最強といわれる選手も出場されるとか。一度戦ってみたい相手だったのですが…」
しゅんとする京極の横で、園子が突然顔を上げた。
「よっしゃあ!」
スマホを取り出した園子はどこかに電話をかけ始めた。
「そのスポンサー、私がなる!私にまっかせなさい!」
俺たちから少し離れて電話を始めた園子。
「あっ、おじさま?お願いがあるんだけど…」
どうやら相手は、鈴木財閥の相談役、鈴木次郎吉氏らしい。
さすが鈴木財閥のお嬢様だな…とアイスを完食しながらその背中を見つめた。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時