785話 紺青の拳 ページ36
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暗い。
狭い。
でも、柔らかい。
――…なんだ、どこだ、ここ。
周りは騒がしい。
たくさんの人の気配。
何に閉じ込められてる?
四角い、箱のような何か…。
息苦しくはないが、身動きが取れない。
拘束されているわけではないようだが。
――…そうだ、キッドだ。
あいつにコナンの麻酔針を打たれて…。
どこに連れて来られたというんだ。
『っ…!』
ドンッと内側から動ける限り殴ってみる。
「おや、お目覚めですか」
『!』
まさかの返答があったことに驚いた。
でも、知らない老人の声だ。
ジジッというファスナーを下ろす様な音とともに光が差し込む。
その眩しさに目がくらんだ。
閉じかけていた瞼をそっと開けると、最初に見えたのは清清しいくらいの青空。
『……え』
そして、日本ではない風景だった。
『なに…ここ…』
起き上がって周りを見渡す。
『……マー…ライオン…』
広場のような場所にたくさん並ぶ水を吐くライオン像。
それが名物の国といえば、ひとつしか思いつかない。
「黒瀬様、ご気分はいかがですか?」
『え』
背後から俺の名前を呼ぶのは、知らない初老の男性。
さっきの声の主だ。
『…貴方は』
「私は、快斗ぼっちゃまをサポートしております、寺井と申します。このたびは、手荒なマネをして申し訳ございません」
『…つまり、キッドの仲間ってこと』
「どうか、ぼっちゃまにご協力願いたいのです」
『…俺のこと、その快斗ボッチャマに聞いたの?』
「いえ、詳しいことは。ただ、非常に優秀な探偵だと聞き及んでおります」
探偵ではないけど…、どうやら俺の正体までは言っていないようだ。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時