776話 ページ27
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「黒瀬先生。少し、いいですか?」
カウンセリングルームで女子生徒の悩み相談…という名の恋愛相談が終わったころ、入れ替わるようにやってきたのは白馬だった。
『…白馬くん。どうしたの?何か悩み事?』
「先生に伺いたいことがあって。…いや、先生というのは少し違うかな」
確信を持ったような自身満々の瞳に見つめられ、苦笑した。
『……さすが警視総監の息子さん』
やはり、彼には気づかれていたらしい。
「今朝から学校の外が少し騒がしいと思いまして。それに、この時期に不自然な赴任をしてきた安室先生と、黒瀬先生。その安室先生は一身上の都合で辞めてしまった。黒瀬先生――…いえ、黒瀬さんもそろそろこの学校を出るのでは?」
高校生探偵は、みんな侮れないな。
『そうだね。君の予想通りだと思うよ。でも、ひとつだけ勘違いしてると思う』
「というと?」
『俺は警察の人間じゃない。優秀な探偵の助手さ』
白馬は目を瞬かせながら俺を見た後、フッと笑みを浮かべた。
「なるほど。では、僕からも一ついいかな」
『?』
「おそらくですが、黒瀬さんたちは天野先生を探っているのでは?」
『何か知ってるの?』
「お二人が赴任してくるタイミングが妙だったので、この学校に何かあるのでは、と思って僕なりに探っていたんです」
快斗の言っていた通り、勝手に動いていたようだ。
「黒瀬さんが天野先生に接近しているのに気付いた僕は、彼女に何かあると突き止めました」
『…よく見てたね』
「探偵なので」
『それで、何か気づいたの?』
生徒である白馬は、俺より天野先生の学校での姿を知っているはずだ。
男の前で取り繕うことのない彼女の姿も知っているはず。
「天野先生とある人物が2か月ほど前から少し妙な雰囲気で話している姿を目にするようになりました」
2か月前…。
裏サイトが起ち上げられた時期と一致する。
「その様子が、少し普通じゃないとは思っていたんですが、女性間の問題はいろいろありますし…首は突っ込まないようにしていたんです」
『…それで、ある人物って…?』
「…――――」
告げられた名前に驚愕で目を見開いた。
『…それじゃあ……まさかっ――…!』
事件に繋がるもう一つの可能性に困惑を隠せなかった。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時