774話 ページ25
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『ってわけで、明日には出るから。いろいろありがとね』
「おいおいおい。まったくどういうわけかわかんねぇっつーの!」
放課後、快斗をカウンセリングルームに呼びつけ、捜査が終了しそう、ということを伝えた。
『捜査の詳細をぽんぽん話せるわけないでしょ』
「情報提供してやっただろ…。知る権利くらいあると思うぜ」
『俺の立場じゃなんとも、ね。それに、お前一応国際指名手配犯だし』
「その指名手配犯に協力要請したの黒瀬さんだろ…」
『まぁ、ニュース見てれば大体の話は読めると思うよ。君の頭脳なら』
女性教員のこれまでの犯行は、きっと大きなニュースになるだろう。
「ったく…。さすが秘密組織だよ」
快斗は理解してくれたようだ。
納得はあまりしていないようだけど。
「でも、明日は…」
小泉の忠告を、快斗も思い出したのだろう。
『そこもちゃんと警戒するよ。大丈夫』
分かっていれば、回避のしようはいくらでもある。
まさか、魔法か何かが使われるわけではあるまいし。
…たぶん。
「黒瀬さん、名探偵と同じで巻き込まれ体質なんだから、あんま無茶すんなよ」
『よく俺を巻き込む1人のお前が言うな』
「はは、確かに」
『…快斗くんは、いろんな人に好かれてるみたいだね』
「え?」
廊下からこちらに向かって近づく気配を感じた。
コンコンと扉がノックされる。
『はい』
返事をすると、ゆっくりと扉が開き、顔を覗かせたのは青子と、ツインテールでメガネの女子生徒だった。
「失礼します…、あ、いた快斗!」
「ほらね、やっぱりここにいた!」
「げ…、アホ子…」
“アホ子じゃない青子!”と目の前で夫婦喧嘩が始まった。
それに構わずツインテールメガネっ子の女子生徒が俺に声をかけてきた。
「黒瀬先生、初めまして!桃井恵子です!青子の親友です!」
『初めまして〜。今日はこのあと3人でどこかに行くの?』
「はい!青子の家で、黒羽くんに勉強教えてもらおうと思ってて」
「おい、そんな約束してねぇーだろ!」
『そうだったんだね。それなのに俺が呼び出しちゃってごめんね。快斗くん、ちゃんと教えてあげるんだよ』
「だから誰も教えるなんて…」
青子と桃井に引きずられるようにカウンセリングルームを出ていく快斗に手を振って見送る。
モテる男は大変だなぁ…。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時