772話 ページ23
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昼休みに職員室を訪れた俺は、真っすぐに天野先生のもとへ向かった。
『天野先生、昨日はすみませんでした』
「黒瀬先生!起きたらいなくて驚きました。私こそすみません…、眠っちゃったみたいで」
視線の動きから、彼女がわずかに警戒しているのが見て取れた。
俺が睡眠薬入りのワインを彼女のものとすり替えた可能性を、わずかに感じ取っているだろう。
ここまで自分の罪を隠し通して過ごしていたんだ。
少しの違和感で、周囲を警戒し始めてもおかしくはない。
逃げられる前に、身柄を固めておかないと…。
『天野先生も結構酔っていたんですよ。疲れもあったでしょうし』
それとない言い訳で誤魔化す。
「今度はゆっくり飲みましょう。…2人で」
にっこり微笑まれ、俺も笑みで返す。
まだ標的のままにしてくれるようだ。
俺の金を搾り取るつもりか、なんらかの罪をでっち上げて、名誉棄損で訴えるつもりか…。
俺を殺したところで、保険金は手に入らないけどな。
『安室先生。よければ一緒にお昼どうですか?』
天野先生から安室先生に視線を移した。
「え…」
安室先生の戸惑いの視線が向けられる。
もちろん演技だが。
『同じ時期に赴任してきたよしみで』
「あ…は、はい…」
おどおどしながらも、安室先生は手作りの弁当を持って立ち上がった。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時