765話 ページ16
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『いい家に住んでるんですね』
「そんなことないですよ」
タクシーに乗って天野先生の家であるマンションにやってきた。
この高級住宅街…零さんの本来の家も近くだったような気がする。
「くつろいでいてください。いいワインがあるので、準備しますね」
そう言ってキッチンへ向かう天野先生。
スマホを開くと、零さんからのメッセージが来ていた。
【GPS反応正常】
取り付けているGPSで、俺の位置は零さんも把握している。
“了解”とだけ返したとき、ワインが入ったグラスを持って、天野先生が戻ってきた。
「どうぞ」
俺の前に置かれた赤ワイン。
『…すみません。お邪魔してしまった上に、気を遣わせてしまって』
「いいんですよ。それに…黒瀬先生と、もっと仲良くなりたいので」
熱い視線が絡みつく。
『ふふ、嬉しいです。そうだ、ワインいただく前に、お水いただいてもいいですか?』
「ええ。いいですよ。取ってきますね」
天野先生が再びキッチンへ引っ込んだ隙に、自分と彼女のワインをすり替える。
高い確率でこの中にはよくない類の薬が仕込まれている。
こういう俺の直感は当たりやすい。
――予想通り、戻ってきた天野先生と気を取り直して乾杯をし、他愛もない言葉を交わしている途中、天野先生は眠ってしまった。
『…睡眠薬、か』
キッチンのごみ箱の中に捨てられていた薬包を見つけ、呟く。
俺を眠らせて、どうするつもりだったのやら…。
よかった。
零さんじゃなくて。
まぁ、零さんでも勘づいていただろうけど。
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096 - ロマンス細胞さん» いえいえ!こちらこそこめんとありがとうございました!告白もありがとうございます(笑) (2020年2月13日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 096さん» 返信ありがとうございました!(´;ω;`)めっちゃ好きです←(突然) (2020年2月12日 22時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - ロマンス細胞さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!これからも頑張ります! (2020年2月12日 21時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
ロマンス細胞(プロフ) - 最高です。これからも頑張ってください!!楽しみに読んでます。 (2020年2月12日 20時) (レス) id: 3aaa867c85 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 赤の他人さん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけるように頑張りますね! (2020年2月10日 20時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年1月20日 21時