1ヶ月契約

すれ違い ページ22

｢あ、｣



あれから二日間、全く梅原くんに会わなかった。もちろん連絡もない。

そんな梅原くんがこっちに向かって歩いてくる。

とあるスタジオの廊下。
｢うめ｣

梅｢おはようA｣

すれ違いざまにそう言う梅原くんは、

｢っ、、、｣

いつも女性声優さんたちに見せる笑顔で、
周りの人には分からないかもしれないけど、この一週間で色々な梅原くんを誰よりも近くで見てきた私にはすぐに分かる変化で、


胸が苦しくなった。









あぁ、これでもう、終わりなんだって。









神｢うわ、また落ち込んでる。｣

｢あ、神谷さん。おはようございます｣

神｢おはよう。凄い元気ないね。｣

｢まぁ、色々あって。｣

神｢ふぅん。今回はあんまり深くは聞かない方が良さそうだし、聞かないけどさ、素直に生きた方がいいよ。｣

｢え、？、｣

神｢人生の先輩兼仕事仲間からのアドバイス｣

｢…ありがとうございます｣



ほんと、昔から何かある度に神谷さんには助けて貰ってる。そのせいか2年ほど前から私が本気で悩んでることがあると、私から言わなくても何となくその時私が言って欲しい言葉を言ってくれる。

顔を上げると神谷さんの優しい顔があった。

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