1ヶ月契約

修羅場 ページ11

何してるの？って言うこうちゃんの目はすごく冷たくて何も言えなかった。



｢あの、こうちゃん？｣

やっと出た一言。

西｢………ごめんね。邪魔して。アフレコもう始まるって｣

｢ちが、｣

違うって言いたかったのにこうちゃんはどんどん歩いて行っちゃって言えなかった。

梅｢…わりぃ、｣

｢…いや、収録始まるみたいだし、行こっか。｣


無理やり笑顔を作って梅原くんと一緒に戻る。









西｢お疲れ様でした〜｣

収録が終わってこうちゃんが出ていく。



｢まって！｣

わたしも急いで帰る準備をしてこうちゃんの後を追いかけた。

まって！って声をかけても振り返ってくれない。それどころか足も止めてくれない。

｢まって、こうちゃん、、｣


腕を掴んで止まらせる。

西｢なに？急いでるんだけど｣

｢こうちゃんのマネージャーさん、次の予定は｣

マネ｢えっと、3時間後にラジオ収録…だけど｣

｢時間までに送り届けます！少しだけ借ります！｣

西｢あっちょ、｣

腕を引っ張って2人になれる場所を探した。



西｢なに？なんなの、｣

｢怒ってる｣

西｢そりゃ怒るでしょ。一応僕先輩なんだけど｣

｢その前に私のお兄ちゃんじゃん｣

西｢ちょっ、誰か聞いてたらどうすんの｣

｢さっき誰もいないの確認したから平気。｣

西｢……｣

｢なんで怒ってるの。｣

もしかしたら、妬いてくれたのかなって。私と梅原くんがくっついてるのを見て妬いてくれたのかなって。

そうだったらいいなって思って聞いてみた。
少しくらい期待してもいいよね。

西｢だから、引っ張ってきたから｣

｢その前から怒ってた｣

西｢怒ってないよ｣

｢怒ってた。何年一緒にいると思ってんの！
それくらい分かる｣

西｢ふーん。じゃあ、なんで僕の気持ち分からないの。何年一緒にいるの？｣

｢え、｣

どういうこと？

西｢……まぁいいや。梅ちゃんと付き合ってるんでしょ？最近仲良いと思ってたんだよね。家にあげてたみたいだし｣

｢それは、仕方なく……｣

西山｢今まで俺しか上がったこと無かったのに。あ、お兄ちゃんだからあげてただけか。｣

｢ちが、｣
違う。違うのに、言葉が上手く出てこない。

てか、
これは……妬いてくれてる…？

西｢ニヤけてる。気持ち悪いよ｣

｢ひど、｣

西｢もぅ、僕行くよ？寄りたいとこあるし｣

｢あ、うん、｣

……てか！誤解とけてないじゃん！

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